26: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2012/09/05(水) 16:00:32.03 ID:kQdfAHEF0
「じゃあ職員室に寄った後、また別のところに行った可能性があるな」
「ですが」
千反田は食い下がる。
27: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2012/09/05(水) 16:16:33.36 ID:kQdfAHEF0
「納得できないか」
「あ、いえ! 決してそういうわけでは……。ただ、特別棟の二階以降か、一般棟の一階にある用事とは、どんなものなのか気になっただけで」
俺は目を瞑って後者の見取り図を思い出す。特別棟は下の階まできっちり部室になっている。もしかしたらいくつか空いている部屋もあるのかもしれないが、俺は知らない。
28: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2012/09/05(水) 16:19:49.69 ID:kQdfAHEF0
「隠し事を暴き立てようという趣味は私にはありません。ありませんが、明らかに怪しい折木さんを見て、気にならないわけでもありません」
いつもよりは幾分か控えめに千反田は言う。それでも瞳は爛々と輝いていて、俺はその視線にいつもからめ捕られるのだ。
椅子に深く座り直し、俺は天を仰いだ。
29: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2012/09/05(水) 16:21:58.48 ID:kQdfAHEF0
千反田は驚いたような、それでいて納得したような表情で俺の話を聞いている。
「里志は渡り廊下を使わなかったんじゃない。あいつはずっと図書室にいたんだ。職員室に行ったのは、まぁ、普通に用事があったんだろうな」
「……」
30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽)
2012/09/05(水) 18:23:49.87 ID:srY/BURAO
支援
31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/09/05(水) 19:07:56.20 ID:2AOlmI4o0
おもしろい
32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/09/05(水) 19:54:17.05 ID:6yscfFyuo
読んでるよ
33: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2012/09/05(水) 23:15:03.67 ID:KdB599sE0
―――――――――――――――――
次の日もまた、神山高校の女生徒が襲われた。
何やら恐ろしいものの足音が近づいてくるのを俺は感じた。もちろんそれは俺だけが感じているのではないだろう。
34: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2012/09/05(水) 23:17:01.00 ID:KdB599sE0
「それで、どうして俺に」
「もしかしたら用心に越したことはないかと思ってさ」
不思議な前段だった。里志は続ける。
35: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2012/09/05(水) 23:18:57.31 ID:KdB599sE0
「杞憂だったらいいんだけどね。もし犯人がその携帯電話の持ち主を狙ってるんだったら……気を付けなきゃいけないのは千反田さんだ」
俺はどきりとした。そうだ、狙われているのは女子なのだ。
犯人がどうやって携帯電話の種類を特定しているのかはわからないにせよ、事実としてそうならば、気を付けるに越したことはない。しかしなぜ俺に。
36: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2012/09/05(水) 23:19:40.07 ID:KdB599sE0
俺は自室のベッドに横になり、銀色の携帯電話をかざしていた。それなりに使われていたのだろう、角のあたりはメッキが剥がれてしまっている。
里志の言っていたことはどうしても気になった。我慢できず、携帯電話を開く。
幸いにもロックはかかっていなかった。が、プロフィールを見ても名前は載っていない。住所なども然りだ。これでは身元が分からない。
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