過去ログ - 姪「お兄ちゃんのこと、好きだよ?」男「……そう?
1- 20
42:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/09/12(水) 22:55:03.98 ID:rI6aBzuyo

 僕はできるだけ明るい声音で言った。

「いや、ギターの弦を張り替えてただけだよ。すぐ下にいくから」

「そう、なの?」

「ああ」

 もう一度頷く。
 彼女は納得したようなしていないような曖昧な表情をした。
 僕が視線を動かさずにいると、仕方なさそうに頷いて部屋を出て行く。

 僕は溜め息をついて、弦が切れたままのギターをスタンドに立てかけた。
 予備の弦はたしかにあったが、張り替える気にはなれなかった。
 気味が悪い。いや、もっといえば、恐ろしくすらある。昨日僕を見下ろしていたあの視線。
 あの目。僕のものと同じ、あの目。僕はなんだか、足元がぐらつくような感覚に襲われた。

 ふとデスクの上を見る。メモが残されていた。その存在に、なぜ今まで気付かなかったのだろう。
 僕が使っているものと同じメモ帳の切れ端。

 だが、僕はこのタイプのメモ帳を、バイト先でしか使っていない。いつもユニフォームのポケットに入れっぱなしにしている。
 ――汗で服がべたつく。暑さのせいか、不安のせいかは分からなかった。




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
879Res/670.75 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice