過去ログ - 姪「お兄ちゃんのこと、好きだよ?」男「……そう?
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2012/09/13(木) 17:27:33.48 ID:qpP07fyYo
八月六日は近所で花火大会があった。僕は夕方過ぎに、姪とふたりで街に出かけた。
近所からバスをつかって会場を目指す。浴衣姿の若い女が何人か乗っていた。
ラフな格好をした男も何人かいた。親子が連れ立っている姿もあった。
以下略
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2012/09/13(木) 17:28:03.56 ID:qpP07fyYo
適当な場所でバスを降り、会場へと徒歩で向かう。普段は寂れている道も、歩いている人が多かった。
僕は既に疲れていたが、姪に悟られぬよう、表情には出さないように心掛けた。
雑踏も喧噪も苦手だった。だからといって静かな場所が好きかと言うと、そうでもない。
以下略
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2012/09/13(木) 17:28:35.62 ID:qpP07fyYo
黙ったまま行列に並ぶ。その時間はさして苦痛ではなかった。さまざまな音が何かの皮膜越しに聞こえた気がした。
その不思議な感覚は、不意に肩を叩かれるまでずっと続いていた。
僕の肩を叩いたのは、バイト先の先輩だった。ドッペルゲンガー、と口に出した女性。
以下略
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2012/09/13(木) 17:29:02.82 ID:qpP07fyYo
彼女は納得しかねたような表情でうなる。自分に落ち度があったと思ったのか、姪がおろおろしていた。
行列が進む。姪を促し前に進んだ。先輩も、遅れてついてくる。
「ふうん」
以下略
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2012/09/13(木) 17:29:38.13 ID:qpP07fyYo
姪は屋上の手すりを掴んで背伸びをしていた。危ないぞ、とたしなめる気にはなれない。
遠い音が聞こえた。僕は空に目を向ける。姪が「あっ」と声をあげた。
花火が空の向こうに咲いた。
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2012/09/13(木) 17:30:15.86 ID:qpP07fyYo
振り向いた先の視界には大勢の人がいた。人だかりが、僕たちと同じ方を向いて立っていた。
けれど、視界を埋め尽くすほどの人間を、僕の頭は認識しようとしない。
そのときの僕に、彼らは蜃気楼のようにぼんやりとした存在に見えた。
不安になって、僕は姪の方に手を向けようとしたが、やめた。彼女は花火に見入っている。
以下略
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2012/09/13(木) 17:30:49.21 ID:qpP07fyYo
咄嗟に彼の手招きに応じようと足を踏み出しかけるが、先輩に手首を掴まれた。
「どこ行くの?」
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2012/09/13(木) 17:31:58.89 ID:qpP07fyYo
36-6 四時二十分 → 三時二十分
>>45
いいかげん愛想を尽かされても仕方ないころだと思っていたので、
以下略
55
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(チベット自治区)
[sage]
2012/09/13(木) 23:44:32.27 ID:MOwO+NS/o
乙
楽しみにまってます
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2012/09/14(金) 00:26:19.53 ID:y4A7vTeo0
おいおい中々どうして引き込まれるジャマイカ
乙
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2012/09/14(金) 18:16:26.02 ID:mwhBKNv0o
◇七
特設ステージの脇に僕を誘った男は、物陰まで僕を促してから、こちらに向き合った。
「こんばんは」 と彼は笑った。
以下略
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