過去ログ - 姪「お兄ちゃんのこと、好きだよ?」男「……そう?
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602:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/11/24(土) 14:51:51.43 ID:sIBdVn+so

「いったい何が起こるって言うんだ?」

「それは……言いたくない」

「叔父の死が避けたいのは分かった。でも、自分の死を避けようとは思わないのか?」

 それはあまりに、都合がよすぎる。

「叔父の死の原因が自分の死なんだって言ったな」

 ケイくんの言葉には咎めるみたいな響きがあった。

「要するにお前は、自分が死にたくないわけじゃないんだな。後ろめたさを感じずに死にたいだけなんだろ」

 どう言い返せばいいか分からなかった。

「お前は諦めてるんだろ。そして逃げるつもりなんだ」

 言い返すかわりに、立ち上がってベッドの上に置きっぱなしだったギターを抱えた。
 ニッパーを掴んで弦にあてる。

「うだうだ言ってないで手伝って! こいつがどうなってもいいのか!」

 自分でもバカみたいだと思いつつ、脅しにかかる。正直口だと彼にはかなわない。

「いいよ。どうせ弦交換するつもりだったし」

 彼の反応は至って冷静だった。わたしは泣きたくなる。
 わたしだって本当は、自分がしていることに何の意味があるのか分かっちゃいないのだ。
 自分がやっていることはたぶん不毛で、無意味なんだ。何かのイニシエーションみたいなもの。
 それも身勝手で、たしかにいびつなのだ。でもせずにはいられない。
 



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