過去ログ - 奉太郎「38度9分か……」
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15: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 20:14:08.33 ID:La4hkDje0
その日の放課後、俺は図書室にいた。

といっても、特に用があったわけではない。何となく、古典部には足が向かなかったのだ。

……いや、何となくではないな。俺は自嘲気味に笑う。
以下略



16: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 20:14:35.96 ID:La4hkDje0
いや、でもそれは、俺の望むところではないのか?

今どき、キスひとつで、惚れた腫れたでもあるまい。

何より俺は、自分の信条として、省エネ主義を掲げている。その心は。
以下略



17: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 20:15:16.66 ID:La4hkDje0
俺はまた笑った。

俺は変わりたいのか? 何かを変えたかったのだろうか?

神山高校に入学して、俺は古典部に入り、千反田と出会った。
以下略



18: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 20:15:49.38 ID:La4hkDje0
顔を上げ、息を吐くと、里志と目が合った。

奴は、頭を掻き、ニコニコ笑みを浮かべて、近づいてくる。

こいつ、さては今まで、俺を観察していたな?
以下略



19: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 20:16:17.61 ID:La4hkDje0
里志「何だい? 千反田さんと何かあったのかい?」

ぐっ、鋭い奴め。

奉太郎「いや、何かってわけじゃない……」
以下略



20: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 20:17:02.19 ID:La4hkDje0
里志「そう言えば登校するとき、千反田さんを見かけたんだけど、手に花束を持っていたな。
  あれ、どうしたんだろう」

ああ、それはな、と言いかけたところで言葉を飲み込む。

以下略



21: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 20:17:40.93 ID:La4hkDje0
奉太郎「さて、どうするか……」

とは言ったが、答えはもう、決まっているようなものだった。

古典部に行こう。
以下略



22: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 20:18:10.06 ID:La4hkDje0
趣味は強いて言えば、読書がそうだと言えるだろう。

テレビや映画は観るし、音楽だって聴く。

それに学校で、部活動にも入っている。
以下略



23: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 20:19:03.23 ID:La4hkDje0
俺が、いくら千反田とキスをしたいからといって、いくら会いたいからといって、千反田にその気があるとは限らない。

昨日は偶然そうなっただけだ。現に昨日の、その後の千反田の態度は、芳しいものではなかった。

あれは、俺と気まずくなるのを避けていたのだろうと思える。
以下略



24: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 20:19:32.32 ID:La4hkDje0
俺は百科事典を、元の棚に戻してくると、カバンを肩に掛けた。

確かに、千反田が俺の気持ちを受け入れてくれるなら、それはどんなにか嬉しいことだろう。

しかしそのためには、兎にも角にも、千反田に会わなければ始まらない。
以下略



25: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 20:20:15.10 ID:La4hkDje0
ガラガラ

部室のドアを開けると、千反田はそこにいた。

少しホッとする。
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