86: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 22:16:54.86 ID:La4hkDje0
奉太郎「俺を待っていたって言ってたが、何か用だったか?」
える「いえ、用というのではないんです……。ただ……」
奉太郎「ただ?」
87: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 22:18:54.28 ID:La4hkDje0
放課後、古典部の部室に行くと、既に摩耶花さんが来ていました。
える「こんにちは、摩耶花さん」
摩耶花「あ、ちーちゃん」
88: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 22:20:54.80 ID:La4hkDje0
摩耶花「……何よ、あいつ結局、ちーちゃんのこと泣かしてるんじゃない。
まったく、あの朴念仁ときたら……」
える「いいんです、摩耶花さん。わたしも悪かったんです」
89: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 22:22:54.97 ID:La4hkDje0
ガラガラと戸が開きます。
里志「やあ、摩耶花、千反田さん。ご機嫌いかが?」
える「福部さん、こんにちは」
90: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 22:24:54.04 ID:La4hkDje0
摩耶花「こうなったら、何かお祝いしてあげなくちゃいけないかしらね」
える「そんな! お祝いなんて、大袈裟です! わたしは、お二人の言葉だけで十分です……」
里志「おめでとう、千反田さん。よかったね」
91: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 22:26:53.54 ID:La4hkDje0
いかんいかん。すっかり遅くなってしまった。
昨日までに提出する宿題があったのだが、休んだことですっかり忘れていた。
おかげで、今まで居残りをする羽目に陥っていたのだ。
92: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 22:28:55.02 ID:La4hkDje0
俺は千反田に、早く会いたいのだ。
だけどそのことに、何故か気後れを感じてしまっていた。
どうしてだろう。誰に遠慮することもないはずなのに。
93: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 22:30:52.49 ID:La4hkDje0
千反田は、いた。
える「あ、折木さん」
千反田が嬉しそうに立ち上がる。
94: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 22:32:53.68 ID:La4hkDje0
える「……それで福部さんったら、可笑しいんですよ。摩耶花さんに……」
千反田は先ほどから、楽しそうに話しかけてくる。
だが俺は、相槌もそこそこに、半ば別のことを考えていた。
95: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 22:34:53.73 ID:La4hkDje0
える「折木さん?」
千反田が顔をズイッと近づけてくる。
奉太郎「な、何だ」
96: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 22:36:53.43 ID:La4hkDje0
そうは言うが、一体どう言ったらいいものか。
奉太郎「あー、千反田。その、な……」
える「はい」
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