過去ログ - える「折木さんも…ご経験がおありなんですか?」奉太郎「」
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6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]
2012/09/16(日) 04:13:28.67 ID:2r6A/1tO0
千反田える、古典部の部長であり、俺の省エネ主義を揺るがしかけている少女である。
 千反田は部室の長机に自分の鞄を置くと、俺の傍までやって来て外を眺めた。
「いいものですね、卒業式って」
「そうだな」
 俺は適当に同意し、二度目の欠伸をかみ殺した。千反田を見やると、彼女は微笑を携えて、優しい目をしていた。彼女の長く綺麗な黒髪が、そよ風に揺られていた。まるで母親のような横顔だ、と俺は思った。
「意外だな」
「え?」
「千反田は卒業式、というか、別れというものが苦手な奴だと思っていた」
「……そうですね。折木さんのおっしゃるとおり、あまり得意ではないかもしれません。けれど、仕方のないことですから」
 卒業式のときに想像した彼女と、ほぼ同じ答えだった。
「ただ……、別れは寂しいだけではありません。別れる時、その人が自分にとってどれだけ大事だったかを知る、大切な機会ですから」
 確かに、そういう考え方もあるか。俺はなんとなく、二年後の自分を脳裏に思い浮かべてみる。が、全くイメージは湧いてこなかった。泣いてないだろうし、笑ってもいない気がする。
「千反田は誰かに挨拶したのか」
「はい、何人か。あ、そういえば……」


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