過去ログ - 魔法少女マテリアル☆まどか
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58: ◆HvWr2kWl99Dz[saga]
2012/10/04(木) 16:24:22.52 ID:cUJNQNbAo
「しっかりして、アクア。今治療するから……っ!」
ぎゅっとアクアの手を握り、光のリボンでその身を包み、内部を魔力で洗浄した。
そうして出来た即席の無菌室で、アクアに癒しの魔法を振りかけた。
マミは癒しに特化した魔法少女ではない、けれどその魔法は、僅かにアクアの表情を和らげる事には成功していた。

「……ぁ、っ。は……ぁっ。いいよ、マミ。そんなこと……しなくて」
額に汗を浮かべ、ぎゅっとアクアの手を握るマミ。アクアは弱弱しくその手を振り払おうとして。
「バカ言わないで、このままだと貴女、死んでしまうわよ」
「死なない、さ。っ……あたしは、不老不死…なんだから」
途切れ途切れの苦しげな声で、それでもどうにか口元を笑みの形に歪めてアクアは言った。

「こんな時まで冗談言わないで!……回復魔法もほとんど効き目が無い。どういうこと?」
どれだけ回復魔法を注ぎ込んでも、すぐさまアクアの身体は死へと向かって滑り落ちていく。
まるでその身体には、元から抵抗力や免疫の類がまるで備わっていないかのようだった。
「だから、いいんだって、マミ。……説明できる奴に、換わるだけ…だ、か……ら」
そう力なく笑って、弱弱しくマミの手を握り返していたアクアの手から、力が抜けた。弱弱しく上下していたその胸が、吐息が、止まった。

「え………嘘、よね」
震える手を口元に添えて、マミは呆然と声を放つ。離されたアクアの手は、力なくだらりと垂れ下がって。


「死ん……だ」
魔法少女は常に死と隣り合わせである。それは自分の死でもあり、他人の死でもある。
それでもそれらは全て魔女の結界の中でこそ起こるべきことで、こんな場所で起こっていいものではなかった。



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