過去ログ - 少女「治療完了、目を覚ますよ」−オリジナル小説
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134
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三毛猫
◆E9ISW1p5PY
[saga]
2012/10/17(水) 08:10:41.28 ID:FW+Jr7MZ0
『頑張れ。俺はお前を、応援してる』
「分かった……」
頷いて、汀は近くの薔薇を手にとって、
以下略
135
:
三毛猫
◆E9ISW1p5PY
[saga]
2012/10/17(水) 08:11:08.71 ID:FW+Jr7MZ0
「そんなに血が好きなら
……好きなだけ飲ませてあげるわよ。好きなだけね!」
もう一度汀は、自分の腕を棘で切り刻んだ。
以下略
136
:
三毛猫
◆E9ISW1p5PY
[saga]
2012/10/17(水) 08:11:43.18 ID:FW+Jr7MZ0
★
病院服も破り取られ半裸で、体中に切り傷をつけた状態で、
汀は高速道路に横たわっていた。
以下略
137
:
三毛猫
◆E9ISW1p5PY
[saga]
2012/10/17(水) 08:12:11.31 ID:FW+Jr7MZ0
別の男性の声がした。
<お爺ちゃんは、死んだ方が幸せなのかもしれないよ>
<もうお爺ちゃんは、元にもどらないの?>
以下略
138
:
三毛猫
◆E9ISW1p5PY
[saga]
2012/10/17(水) 08:13:09.23 ID:FW+Jr7MZ0
避けようとしたが、体が動かない。
小さな体は、ブレーキをかけたトラックにいとも簡単にはねられ、
数メートル宙を待ってから、糸が切れたマネキンのように地面に崩れ落ちた。
以下略
139
:
三毛猫
◆E9ISW1p5PY
[saga]
2012/10/17(水) 08:13:41.44 ID:FW+Jr7MZ0
ケタケタと、写真で見た壮年男性が笑っていた。
十メートルほど離れた場所に直立不動で立って、
目だけは笑っていない顔で、笑っている。
以下略
140
:
三毛猫
◆E9ISW1p5PY
[saga]
2012/10/17(水) 08:14:12.52 ID:FW+Jr7MZ0
「だから、あなたは狂ってしまった」
血の雨が強くなった。
「麻痺が残った体で、あなたは段々と夢の世界に逃避するようになっていった」
以下略
141
:
三毛猫
◆E9ISW1p5PY
[saga]
2012/10/17(水) 08:14:45.82 ID:FW+Jr7MZ0
「元になんて戻れない。
一度狂ったら、狂い尽くすしかないんだよ。この世は」
男が手を振り上げ、汀の頬を張った。
以下略
142
:
三毛猫
◆E9ISW1p5PY
[saga]
2012/10/17(水) 08:15:22.87 ID:FW+Jr7MZ0
そしてその上に馬乗りになり、
まだパックリと開いている自分の左腕の傷口を彼の口に向ける。
ポタポタと、汀の血が、男の口に入った。
以下略
143
:
三毛猫
◆E9ISW1p5PY
[saga]
2012/10/17(水) 08:16:08.57 ID:FW+Jr7MZ0
★
「三島寛治。六十九歳。高速道路で、車から転落。
その後、病院に運ばれるも、家族に宗教上の理由で輸血を拒否され、
十分な治療が出来ずに体に麻痺が残る。
以下略
144
:
三毛猫
◆E9ISW1p5PY
[saga]
2012/10/17(水) 08:16:37.19 ID:FW+Jr7MZ0
汀の部屋で、大河内は立ったまま、
すぅすぅと寝息を立てている彼女を見下ろした。
「ここまで負担をかけることもなかった」
以下略
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