過去ログ - まどか「杏子ちゃん、それはちょっと食べすぎじゃない……?」
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102: ◆GnIWQD74f.[saga]
2012/11/11(日) 20:18:48.54 ID:XBRoDm8ho
 詢子さんにそう言われた私は、嬉し恥ずかしくなり少し俯いてしまった。

「そんな……。カリスマだなんて……」

「ふふ。あたしの勘は意外と当たるんだよお?」

「でも私なんて……」

「まあそう言われて恥ずかしいのは分かるけどね。でもさ、ここで恥ずかしがってたらカッコいい大人にはなれないぞ〜」

「そ、そうですよね……」

 詢子さんにそう言われると、私は上を向いて堂々としようという気になってしまう。

「分かりました! これからは自分に自信を持って生きていきます!」

「ああ! 頑張れよ〜!」

「でも、どうして私にこんな話をしてくれたんでしょうか?」

 ただお話しをしてくれているにしては少し親切すぎる気がしてしまい、詢子さんに対してふと疑問を抱いてしまった。

「……それはね。あたしのただのお節介かもしれないけれど、マミちゃんのご両親はきっとあなたにこうして自信を持って生きて欲しいって思ったからさ。
ほっとけなくてつい、ね」

「あ……」

「あたしも二児の母だからなんとなくわかるんだけど、もしもまどかやタツヤがマミちゃんのような経験をしたら、
きっと二人は塞ぎこむと思う。でも親としてはそんな事を望まないわけよ」

 確かに私は両親が死んでからというもの、自ら進んで友達に接しようとはせずにとにかく塞ぎ込んでいた。
同情というか、言いようのない罪悪感を相手に持たれたくなかったからだ。
 だからこそ詢子さんのその言葉は、私の胸を締め付けるのだ。

「そう……ですよね」

「まあ……なんて言うのかな。こんな事マミちゃんに頼むのは間違ってるかもしれないけど、
もしもそういう不幸が私や知久にあった時は、経験者であるマミちゃんがあの二人に手を差し伸べてほしいんだ」

「……私なんかに務まるのでしょうか……」

 もしもの話とは言え、私にはまどかさんやタツヤくんの事を引っ張ってあげる自信が全くなかった。
 その時の私の顔は無意識に辛そうにしていたのか、詢子さんが慌てて私を励ましてくれた。

「ああっと……。別にそこまで思い詰めなくていからね。ただ、いつも通り接してくれれば、ホントにそれだけでいいんだ」

(そう……。今なら私にもそんな事を気にせずにいつも通り接してくれる友達がいる……。だったら私も、もっと心から強くならなくちゃ!)

 私は頭の中で熱く意気込んでいた。もう昔の自分の様な、殻に閉じこもる人を作りたくはないから。

「……はい。わかりました!」

「うん。いい返事だね〜。うちのまどかもマミちゃんみたいにもう少ししっかりしてくれると嬉しいんだけどね」

「いいえ。まどかさんもしっかりしていると私は思います。何度、彼女の優しさに救われた事か……」

 私がそう言うと、詢子さんは照れくさそうにしていた。

「あはは。まあ、あたしに似て頑固なところがあるからねえ。でも、ちょっと抜けてる所があるというか頼りなく感じるというか……。
まあ、親としては心配事が耐えないね」

「うふふ。確かにまどかさんは抜けてる所もあるかもしれませんね」

 私は、まどかさんの抜けている場面を想像しておかしく思い、笑ってしまった。

「でも、ここ最近は芯の方が強くなっている気がするんだ。きっとあいつに心境の変化でもあったんだな。まあ心当たりはひとつ有るんだけど……」

 私は、詢子さんの口から出た心当たりという単語が気になってしまった。

「心当たりとは一体なんでしょうか……?」

「うんとね。この前超大型の台風が見滝原に来たから避難所に居たんだけどさ。もしかしたらその時、マミちゃんも避難してたんじゃない?」

「あ、はい。確かに避難していました。ですけど避難した人が多すぎたせいもあって詢子さんを見かけた事は無かったですね」

 私はその時、詢子さんに暁美さんや佐倉さんに美樹さんの三人と一緒にワルプルギスの夜と戦っていたなんて口が裂けても言えなかった。


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