過去ログ - まどか「杏子ちゃん、それはちょっと食べすぎじゃない……?」
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64: ◆GnIWQD74f.[saga]
2012/10/25(木) 22:30:30.96 ID:v5/N1WX+o
「こんなのにあたし達……。本当に勝てるのかな……?」

「分からないわ……」

 ワルプルギスの夜を目前にして、三人はひどく怯えてしまった。でもそれは仕方がない事。だって今の万全な私でも、
こいつを目の前にすると一気に士気が下がってしまいそうになるから。
 それでも私は怯えている三人を元気付ける為にも無理やり大声をあげた。

「みんな! ここで弱気になってはダメよ! まだ始まってもいないのだから!」

「そうは言うけどさ……。やっぱり怖いものは怖いよ……」

「そうよ……。こんなの相手に攻撃が効くかどうかも……」

 それでも美樹さやかと巴マミは気が滅入っていたせいで弱気な発言をしてしまう。
そんな二人を目の当たりにした佐倉杏子は、二人に対して悪態をついた。

「……だったら、二人はそこで見ていな? こいつはあたしとほむらで何とかするからさ。なあ、ほむら?」

 私も佐倉杏子に倣って、二人に対して悪態をつく。

「……ええ、そうね。ここで覚悟を決める事ができないのなら着いて来ても何の役にも立たないわ」

 私と佐倉杏子の言葉に二人は何も言い返せずに、ただその場で立ち尽くしていただけだった。
 そんな二人をその場に置いて、私と佐倉杏子はワルプルギスの夜へと近付き、攻撃を実行した。

「てやああああ!!」

 佐倉杏子は気合を入れて叫びながら、ワルプルギスの夜相手に槍を縦横無尽に操り叩きつける。
だが、ワルプルギスの夜は不快に笑い続けているだけで、ダメージを受けているのかどうかすら分からなかった。

「……前もそうだったわ。こいつは笑っているだけでダメージを受けているのか全くわからない! だから杏子、怯まずにどんどんこいつに攻撃を繰り出して!」

「ああ! 言われなくても分かってるさ!」

 私も、次々に盾の中に補充していた兵器を取り出した。始めは軽機関銃を取り出して、ワルプルギスの夜に全弾撃ち放った。
だけど、あいつは相変わらず笑うだけで効いているのかが全く分からなかった。

「くっ……、次はこれを食らいなさい!」

 そう言って私は、持っている手榴弾を全て取り出してワルプルギスの夜の頭部に投げ付けた。
すると、全ての手榴弾が一気に爆発して相当な爆風を生み出した。
だけど、ワルプルギスの夜は爆風を物ともせずにただ不快に笑っていた。

「くそ! あたしの攻撃じゃ本当にダメージを与えてんのか分からねえ!」

 佐倉杏子は負けじと、どんどん攻撃を繰り出してはいるものの相手の大きさのせいで滑稽に見えてしまう。

「杏子、大丈夫よ! ……この世に倒せない魔女なんていないのだから!」

「ああ……。そうだよな!」

 私は更に、RPGー7を数本取り出してワルプルギスの夜目掛けて全弾撃ち出した。
その結果、大量の手榴弾の爆発を上回る爆発が巻き起こりワルプルギスの夜が少し傾いた。

「よし……! 効いているわね!」

「ほむら!!! 危ない!!!」

「……えっ?」

 佐倉杏子の叫び声が聞こえたと思ったら、私の斜め真上からビルの瓦礫がそのまま私に降りかかろうとしていた。

(うそ……、間に合わない……!)

 いきなりの事で私は時を停める余裕が無かったので、咄嗟に両腕でガードをするように構えた。
だけど次の瞬間、そのビルはどこからともなく撃ち放たれた大砲の弾によって、跡形も無く崩れ去ってしまった。

「全く、危なっかしくて見ていられないわね」

 私が声の聞こえる方を振り向くと、巴マミが余裕の表情でポーズを構えていた。

「巴さん……!」

 やっぱり来てくれた事に、私は嬉しくなってしまい、自然と笑顔になってしまった。

「ごめんなさいね……。こんなところまで来て怖気付いてしまって……。でも、もう私は迷わない!」

 この時私は、やはり巴マミは私にとっての一番の先輩なんだという事を改めて認識してしまった。


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