過去ログ - まどか「杏子ちゃん、それはちょっと食べすぎじゃない……?」
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86: ◆GnIWQD74f.[saga]
2012/11/01(木) 20:51:33.27 ID:7a/eSL2ao
 鹿目さんは、さっきの私への発言を思い出してしまったのか、とても顔を赤くしながら俯いてしまった。

「えへへへ……。恥ずかしいです……」

「うふふ。あなたもタツヤくんと負けず劣らず可愛いわよ」

「えっ!? ……マミさんたら、もう……」

 私が鹿目さんの事をからかうと、彼女は恥ずかしさのあまり、俯いたまま顔を両手で覆い隠してしまった。

「うふふふ。……ああ、今日は本当に公園へ来て本当に良かったわ」

「マミさん……」

 鹿目さんは両手で隠していた顔を上げて手をどかし、私の顔をじっと見ていた。

「だって、こんなに嬉しい出会いがあったんだもの!」

「……えへへへ! あ……。もうそろそろ帰らないと……」

 鹿目さんはとても悲しそうな顔をしながらそう言った。

「あら、用事があるのね。それじゃあ私、鹿目さんをお家まで送るわよ」

「え!? ……でも、いいんですか?」

「言ったでしょう。私も今は暇で仕方が無いって。それにタツヤくんもこのままでは帰れないでしょう?」

 鹿目さんは私の胸の中で眠っているタツヤくんを見て、申し訳なさそうにしていた。

「マミさん本当にありがとうございます……。それでは、遠慮なくマミさんにお家まで送ってもらいますね!」

「ええ、任せて!」

 そして、私はタツヤくんを抱っこしたまま鹿目さんの家へと足を運んだ。



 鹿目さんの家の前まで辿り着いて、初めて見た彼女の家に私は密かに驚いてしまった。

(まあ……。鹿目さんの家、とっても素敵ね……)

「ただいま〜」

 私が鹿目さんの家に見惚れていると、いつの間にか玄関の奥から鹿目さんのお父さんらしき人がやってきていた事に私は気付いた。

「おかえり、まどか。おや、お客さんも一緒みたいだね」

「あ、うん。えっとね……」

 鹿目さんが何をどう言えばいいのか困っていたので、私が鹿目さんの代わりに説明をしてあげた。

「初めまして。私は鹿目さんの先輩にあたる巴マミと言います。先程、鹿目さんと公園で出会って、
鹿目さんと弟さんのお二人と一緒に遊んでいたのですが、弟さんが遊び疲れてから今もこうしてグッスリと眠っているんです」

 私がそう言うと、鹿目さんのお父さんは少し申し訳なさそうに謝ってくれた。

「そうだったのかい。それは申し訳なかったね」

 そして私は、タツヤくんを優しく鹿目さんのお父さんへと手渡した。

「そんな事ありません。タツヤくんはとてもいい子で可愛かったですから。それでは、失礼しました」

「あ……」

 私が帰ろうとすると、鹿目さんの残念そうな声が聞こえてきたけれど、長居するのは悪いと思って私はこの場を去ろうとした。
 すると、意外にも鹿目さんのお父さんが私の事を呼び止めてくれた。

「ちょっと待って。もし用事が無かったら晩御飯でも食べていかないかい?」

「えっ……?」

 予想していなかった鹿目さんのお父さんのその言葉に、私はどう返答すればいいのか分からなかった。
 すると、鹿目さんが嬉しそうに言ってくれた。

「わあ〜! マミさんと一緒に御飯が食べられるなんて、わたしとっても楽しみです!」

「コラコラまどか。まだ巴さんの都合がいいか分からないだろう?」


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