過去ログ - 唯「1日遅れのハロウィンマジック」
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1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)[sage]
2012/10/31(水) 23:37:52.92 ID:TtR8CsSAO
【10年前のハロウィンマジック】
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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/10/31(水) 23:39:30.26 ID:Ou5xBGSSO
古手川唯?
3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/10/31(水) 23:40:14.43 ID:q2eGm5Mmo
ハローウィンになるといつもあの景色を思い出すんだよ。
幼い頃の思い出。
石造りのケンタウロスが左右で睨みをきかす門の前にわたしは立っていて、そこから一本の長い舗道が続いていたんだ。
その舗道の横には古びたレンガ造りの家々が建ち並んでね、どの家の庭にもきれいな色の花が好き放題に、でもそれでいてお互いを気づかいあうみたいに咲いていた。
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/10/31(水) 23:42:28.89 ID:P0GxVryIO
若干気持ち悪い文章です
でもそれ以前に改行しましょう
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/10/31(水) 23:52:55.50 ID:q2eGm5Mmo
わたしが考えてたのはその頃大好きだった絵本たちのことだった。
きっと、そんなふうに思ったのはそこに住んでいた人々たちのせいなんだよ。
そこには、絵本の中でしか遭うことができないような人たちがいたんだ。
狼男と猫耳の女の人が手をつないで歩いていて、黒いローブを纏った魔法使いが向こうからやってきて二人挨拶したと思ったら、消えた。舗道の端っこではミイラ少年がキャッチボールをしている。ころころ転がったボールを日傘をさしたドラキュラが拾って投げ返した、のーこん。そばの家の窓が開いて美味しそうな匂い。ミイラ兄弟のお母さんが二人を呼んだ。その家の玄関先には3つ首の犬がつながれていてそばを通った白いマルギザお化けに吠え立てる。驚いたマルギザお化けは慌てて逃げ出す。それを見た骸骨がからから笑った。
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)
2012/11/01(木) 00:31:16.94 ID:iXfwaJquo
期待
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/11/01(木) 01:57:02.76 ID:O9dM4mN/P
これは縦書で読みたくなるSS
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/11/01(木) 11:51:49.05 ID:8utWAr6+0
平沢もあるぞ
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空)
2012/11/01(木) 22:17:36.54 ID:WaI6xSPDo
その光景はすごく懐かしいものだった。
今はもちろんあの時でさえ。
なんでかなあ。
その場所に行った時はわたしはまだ小学生1、2年生くらいで懐かしさなんていう感覚には馴染みがなくてよくわからなかったんだけど、今思えばそれは懐かしさ以外のなにものでもなかったんだ。
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空)[sage]
2012/11/01(木) 22:18:04.98 ID:WaI6xSPDo
かぼちゃ頭の女の子はわたしの手を引いて急いで駆けてく。
そんなに急がなくても逃げないよってわたしは言った。
ちょうどこんなふうに。
かぼちゃさんいそぐところんじゃうころんじゃうよころぶといたいよ。
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空)[sage]
2012/11/01(木) 22:18:33.82 ID:WaI6xSPDo
ゆい「なまえ、なんていうの」
かぼちゃ「かえしてよぉかえしてください」
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空)[sage]
2012/11/01(木) 22:19:01.15 ID:WaI6xSPDo
あずさちゃんはわたしから受け取ったかぼちゃを顔にかぶせた。
かわいい顔が隠れてちょっと残念。
彼女のかぼちゃは普通の楕円形じゃなくて、ちょうど右上と左上が三角に出っ張っていて猫の耳のようになっていたので、だからわたしは、あずにゃんって彼女に名前をつけた。
あずにゃんはわたしの手をまた引いて、どこかへ連れて行こうとする。
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空)[sage]
2012/11/01(木) 22:19:28.93 ID:WaI6xSPDo
あずさ「むむむ……もうおこったです」
ゆい「あ」
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空)[sage]
2012/11/01(木) 22:19:58.04 ID:WaI6xSPDo
あずさ「ふぁ……やめてくださいよぉ」
ゆい「えへー、あずにゃんとおそろいおそろいっ」
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空)[sage]
2012/11/01(木) 22:21:34.78 ID:WaI6xSPDo
そんなことしているから、あずにゃんがわたしを連れて行こうとした場所にたどり着くまでにはすごく時間がかかった。
空はピンク色から深い緑色に変わっていって、不思議な光の模様を映しだした。
何本かの白い光の線がうにょうにょと形を変えながら、ひとつの謎めいた記号を創りだす。
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空)[sage]
2012/11/01(木) 22:22:02.32 ID:WaI6xSPDo
あずにゃんがわたしを連れてきたのは小さな灯台で、そこに登るとずっと遠くまで広がる海のような草原が見えた。
草むらの上で何か光るいくつもの点が見える。
赤、青、黄色、白、紫……カラフルに。
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空)[sage]
2012/11/01(木) 22:22:30.52 ID:WaI6xSPDo
あずさ「あはは……だいじょうぶですよ。むしさんはときどきそうやってみんなをおどろかせるんです」
ゆい「ふぇーびっくりしたあ」
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空)[sage]
2012/11/01(木) 22:22:58.21 ID:WaI6xSPDo
ゆい「ね」
あずさ「はい」
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空)[sage]
2012/11/01(木) 22:23:24.70 ID:WaI6xSPDo
空では線鳥がつくるパターンがどんどん複雑になってきていて、高いところに青い月が2つ浮かんでいるのが見えた。
ぐぐうううって、誰かの鳴く低い響き。
月の光に、あずにゃんの顔がやけに不思議な色あいをもって見えて、わたしはどきどきした。
ふだんかぼちゃ頭をかぶっているせいなのかな、あずにゃんの顔の肌はまるで生まれたばかりのようにつるつるきらきらしていて、特にその一番潤った部分、つまり唇にわたしは目を奪われた。
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空)[sage]
2012/11/01(木) 22:23:52.01 ID:WaI6xSPDo
おーしまい。
わたしが覚えてるのはそこまでだった。
なんていうか残念だけれど、まあ夢はたいてい一番いいところで終わっちゃうしね。
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空)[sage]
2012/11/01(木) 22:24:19.74 ID:WaI6xSPDo
今もあずにゃんのことをときどき考える。
教科書に落書きしたり、寝る前にあずにゃんとのキス思い出したり、夢に見たり、この角を曲がったらいるんじゃないかって思ったり。
大きくなったあずにゃんの姿もちゃんと思い描くことができたんだ。
なんでかな。
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