16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2012/11/20(火) 03:12:09.38 ID:5RXrfIEi0
直前によそよそしく筑川に話しかけたこと、見た目や、どう見ても年上であること、横に立っている危ない雰囲気の倉田とつるんでいるらしいところが相まって、
妙にハキハキした様子の尾形に、真は怖じ気づいてしまったのだ。
(しかもあの倉田って人、こっち睨んでるままだし……怖いなぁ)
すると、抱き寄せていたやよいが不意に「ま、真さぁん、苦しいですよー」と声を上げた。
気づけばやよいを抱いていた腕に力が入っていたらしく、やよいは真の目の前で苦悶の表情を浮かべていた。
「あっごめん、やよい」
真は謝ってやよいを解放した。
その直後
ひゅうん
「……ん?」
その時黒い玉から、微かな異音が聞こえてきた。
気付いた真が、黒い玉に目を向ける。
瞬間、玉の表面から突如として青白い光線が伸びた。
「うわぁっ!」
真とやよいの二人は驚いて後ずさり、真は勢い余って床に尻餅をついた。
レーザーを見た筑川は「うわっ来たッ!!」と叫んだ。
「来たって……えっえっ!?」
(なんだよこれ!?)
黒い玉から放たれたレーザーは空中の一点で止まり、そこから高速で左右に移動している。
レーザーの移動したところからは、まるでコピー機のように、焼き付けるような音と共になにかが書き出されていく。
ジジジジジジジジッ
それは立体だった。
髪のようなものから始まり、徐々に下へ……
「うわ……」
真はそれが何かにすぐ気付いた。
それは人間だった。
書き出されていくグロテスクな身体の断面図は、真の位置からは克明に見える。
非現実的な光景を前に、真は床にへたり込み呆然と事を見守るしかなく、やよいは壁に背中を預けておびえている。
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