5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2012/11/18(日) 22:50:02.68 ID:FygFt39p0
ブロロロロロロ
不意にエンジンが掛かり、ワゴンが小刻みに揺れ出す。
運転手がバックミラー越しに真とやよいに視線を投げかけながら「出発しますよー」呼び掛けた。
「あ、はーい」
「お願いしますー」
二人ががそれに返事をするとワゴンは発車し、速やかに撮影現場を後にした。
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高速を走る頃には日は完全に沈み、辺りは完全に暗くなった。
途中のパーキングエリアにて軽食を取った真とやよいは、疲れもあいまって後部座席ですっかり眠りに落ちている。
軽い渋滞に二度ほど捕まった後、東京都に入った頃の時刻は既に9時40分。
頭を預け合って、すうすうと気持ち良さげに寝息をたてる真とやよいの顔を、過ぎ去っていく街灯が照らしていく。
特になんの問題もなく、二人は着々と事務所に近付いていた。
そのはずだった。
「うわぁ、危ない!!」
突然、運転手が悲鳴混じりの声が聞こえ、真は淡く目を覚ました。
その直後、身体を強力な圧力が襲い、真は意識は一気に現実に引き上げられた。
理解が遅れたが、どうやら運転手が急にハンドルを切ったらしい。
急激に曲がる車両。かかる遠心力に振り回されまいとシートベルトが真の身体を捕まえているものの、勿論それは身体に食い込み、真は瞬間的に呼吸ができなくなった。
「かっ……ッはぁ」
車がカーブを止めると共に、遠心力から解放された直後、空気を求めて肺が動き出した。
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