過去ログ - ねぇ健一、線路に飛び込むのはどう?
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1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)
2012/11/25(日) 14:27:21.98 ID:H1RzuMIg0
『終点』*オリジナルです。苦手な方はご遠慮ください*

父さんは昔いつも僕に、

「健一、死ぬ気になれば何でもできるぞ」

と言っていた。

そんな言葉を物心ついたときから徹底的に浴びせられた僕は今、追い詰められている。
 
死にたい。いや、もう死ぬと決めたんだ。

こんなこと口にしたら誰かが「早まるな、生きていたらいいことある」などと言うだろう。

でも、僕は早まってなんかいない。

初めて「死のう」と真剣に考え出してから、もう二年以上が経つのだ。

しかもその思いはだんだんと強くなっている。そろそろ死んだってバチは当たらない。


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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)
2012/11/25(日) 14:29:21.52 ID:H1RzuMIg0
父さんは三年前に会社をクビになってから毎日パチンコと酒に明け暮れていた。

その頃から僕に「死ぬ気になれば――」なんて言わなくなった。

そんなある日、いつものように酔っぱらった父さんは、ただ欲望のままに女子高生を襲い、警察に捕まった。
以下略



3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)
2012/11/25(日) 14:31:55.64 ID:H1RzuMIg0
クラスではいじめられた。殴る、蹴るは日常茶飯事で行われたし、靴の中にムカデや犬のフンを入れられた。

最初は嫌がったし、先生にも相談した。けれど先生が、

「もう少しで中学校は卒業だから、我慢しろ。今はみんな受験前でピリピリしているだけだ」
以下略



4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)
2012/11/25(日) 14:33:47.10 ID:H1RzuMIg0
僕は県内の公立高校に進学した。気分を一新しようと新しい腕時計も買った。

けれど、だめだった。

同じクラスに、僕をいじめていた奴らの一人がいた。
以下略



5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)
2012/11/25(日) 14:35:09.10 ID:H1RzuMIg0
いじめられていることを高校の先生にも親にも言わなかった。

今までの経験から言って、どうせ当てにはならない、と思っていた。

それに、弱みを握られるような気がして怖かった。
以下略



6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)
2012/11/25(日) 14:36:21.18 ID:H1RzuMIg0
亜矢水は僕と同じ高校で同級生の女の子だ。

理由は知らないが、亜矢水も僕と同じようにいじめられていた。

だからなのかもしれないけれど、僕と亜矢水はお互いに惹かれあった。
以下略



7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)
2012/11/25(日) 14:38:05.87 ID:H1RzuMIg0
僕に自殺を決心させた「事件」。それは父さんの女子高生への暴行だった。

リストラされた日から遊び人と化した父さんを毎日のように見てきたが、僕は心のどこかで

「いつかきっと昔の父さんに戻ってくれる」
以下略



8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)
2012/11/25(日) 14:39:21.21 ID:H1RzuMIg0
本来、僕が亜矢水の支えとなってやらないといけなかったのだが、今回ばかりは無理だった。

僕と亜矢水は、お互い傷を舐め合うことさえも許されなくなった。

そして、他に助けてくれる人がいないことを改めて知った。
以下略



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)
2012/11/25(日) 14:42:07.14 ID:H1RzuMIg0
「この薬を使うっていうのはどう?」

「最近流行っているけど、これって実際かなり苦しいらしいよ。僕はできれば一瞬で楽に死にたいな」

 亜矢水は驚いた様子で目を見開いた。左目の充血は、この前学校で殴られたときの名残なのだろうか。
以下略



10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)
2012/11/25(日) 14:43:44.86 ID:H1RzuMIg0
ピーーーに引っかかるとはwwww

つづきは15時くらいから


11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/11/25(日) 14:53:08.85 ID:glxYzyEDO
期待する。


12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)
2012/11/25(日) 15:09:54.43 ID:H1RzuMIg0
>>11
サンクス
いまから続きあげていきます。


13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)
2012/11/25(日) 15:12:24.71 ID:H1RzuMIg0
「わかった。じゃあ、いつ決行する?」

僕は別にいつこの世からいなくなっても良かったので、亜矢水に判断を委ねることにした

「あたし今日中に遺書を書き終わっちゃうから、明日の夕方くらいがいいな」
以下略



14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)
2012/11/25(日) 15:14:35.51 ID:H1RzuMIg0
「うん。…じゃあ、明日の午後六時くらいに駅前集合ということで」

「そだね…」

 僕たちはファミレスを出て、西日の眩しい田舎道を歩いた。
以下略



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)
2012/11/25(日) 15:16:54.61 ID:H1RzuMIg0
「えっ…」

「待って、お願い」

「…どうしたの、急に?」
以下略



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)
2012/11/25(日) 15:21:07.77 ID:H1RzuMIg0
どのくらいの間そうしていただろう。僕と亜矢水はほぼ同時に顔をゆっくりと離した。

亜矢水は、もう泣いていなかった。

「…ありがとう」
以下略



17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)
2012/11/25(日) 15:23:09.67 ID:H1RzuMIg0
>>16
ピーーーは

死ぬことができるよ

以下略



18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)
2012/11/25(日) 15:24:13.77 ID:H1RzuMIg0
家に帰ると、出迎えてくれるのはいつもと同じ光景。

暗い玄関、

冷たい廊下、
以下略



19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)
2012/11/25(日) 15:25:40.17 ID:H1RzuMIg0
けれど、ひとつだけいつもと違う。

カップ麺の下に紙切れが挟まっていた。

罫線付きのルーズリーフに何か走り書きしてある――母の字だ。
以下略



20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)
2012/11/25(日) 15:28:03.83 ID:H1RzuMIg0
母さんと久しぶりに話がしたくなった。

僕が「自殺を考えている」なんていったら何て言うだろう。


以下略



21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)
2012/11/25(日) 15:32:23.38 ID:H1RzuMIg0
ここで第一部終わりです

第二部(と言っても二部構成ですが)はPM4:30くらいから書きたいと思います
…って見てる人いるんかな

以下略



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