過去ログ - 【オリジナル】神がかってる。
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24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/12/02(日) 01:37:00.02 ID:zeJEQrkI0
天井から吊り下がっている広告「グレートな夏の宝くじ」は、今まさに、パチパチという音を立てて燃えているところなので、一等がいくらなのかわからなくなっていた。

―――べこんッ。
天井がまた音を立てて、凹んだ。
俺の足元まで揺らす衝撃。
以下略



25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/12/02(日) 01:48:43.62 ID:zeJEQrkI0
見ればドアが開き、その向こうにはいつも見ている景色が流れていた。
「………ッ!」
電車が走っているのに、ドアが開いている。
俺は固まったまま、風と夕日を受けて様子を見守るしかなかった。。
どういう理由か知らないが、ドアが開けばそれは脱出のチャンスではあるはずだが、俺はドアに近づくことが
以下略



26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/12/02(日) 01:53:26.20 ID:zeJEQrkI0
がたん、がたん。
――――窓の外には、川が見えた。
がたん、がたん。
高校に入ってからは通学中に毎日見る川で、俺にとってそれ程思い入れのある川ではないが、それでも休日になると釣り人が集まって来る様子は印象に残っている。
特に驚きもしない、見覚えのある風景。
以下略



27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/12/02(日) 01:55:32.75 ID:zeJEQrkI0
天井を見上げてみる。
ひび割れて配線が見えている―――なんてことも無く。
広告が目に入る。
「グレートな夏の宝くじ」は一等を当てると二億円だそうだ。
それから床も確認する。
以下略



28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/12/02(日) 01:57:10.25 ID:zeJEQrkI0
何もない。
じゃあ………夢だった?
いや待てよ、この大学生は見覚えがある………俺が勝手に大学生だと思ってるだけだが。
この男も、さっきあの場にいた。

以下略



29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/12/05(水) 22:42:02.19 ID:21cMidT70
「本当なんだ。いや、マジで………本当に煙の匂いがして、制服に火花が掠って少し焦げたりもしたし………
いや、残ってないんだけど、証拠みたいなものは残ってないんだけど、とにかく夢じゃないんだ!」
「大丈夫。信じるよ。信じるからさー」
「ああ、ホラお前それ、全然信じてない態度! ホラお前!」
「ああ、信じてる。完全に信じた。夢でもいいんけどね」
以下略



30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/12/05(水) 22:48:45.88 ID:21cMidT70
「いや、だから、俺以外は見てないんだって。
乗ってる人全員が平和な日本丸出しの顔だったって言ってるだろ。
やっぱりただの夢だったのか………?
定期見せる時の駅員もいつも通りの対応だったしなあ」
「いやいや、そうじゃない、そうじゃない」
以下略



31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/12/05(水) 22:57:24.04 ID:21cMidT70

「文庫本カバーの子は好みのどストライクだったんですねー」

閉口という男の性格というか性質というか、思考回路がよく表れている台詞である。
どんな奴かと聞かれたら、大体こういう奴だ。
以下略



32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/12/05(水) 23:05:17.98 ID:21cMidT70
「電車が停電してよ―――いや、すごかったぜ? 乗客がパニックで俺の席にも」
話せば話すほど、虚しくなる気がする。
俺は何をしているんだろう。
なんで熱心に唾を飛ばしながら夢の話をしてるんだろう。
そう、夢だ。
以下略



33:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/12/05(水) 23:34:40.35 ID:21cMidT70
「近い話って、怪談の類か?」
閉口は怖い話が大好きだ。
いや、人をおちょくる行為、それに使える知識全般が好きだ。

「………グレムリン」
以下略



34:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/12/09(日) 22:00:18.71 ID:CMNIc/dE0
「電車の電気系統を弄ってショートさせた、ということでしょう」
「嘘くせー」
「………はぁー」
どうした、溜め息なんてついて、と口にしようとしたが、飲み込む。
これは俺が言いだした夢の話。
以下略



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