過去ログ - エルフ「……そ〜っ」 男「こらっ!」
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661:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/05(水) 18:42:46.66 ID:RLjbm7yt0
気がつけばいつの間にか隊員達の背後に女隊長が立っていた。苦い表情を浮かべ、仲間達の意見を聞いている女隊長。最後の決断を任せられた彼女は困ったように男を見ていた。そして男また彼女に自分を認めてもらおうと説得の言葉を口にする。

男「お願い、女隊長。僕を戦いに参加させて! 絶対に、役に立ってみせるから!」

強い眼差しで己を見つめて来る男に女隊長は困ってしまう。こういった目をした人を自分が止める事はできないとわかっているからだ。
以下略



662:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/05(水) 18:43:37.82 ID:RLjbm7yt0
男剣士「いよっしゃああああああああ! やったな、男! これでお前は正式に俺たちの仲間だぜ!」

男弓使い「こら、そんな言い方だと今までが正式な仲間じゃなかったみたいだろうが。でも、まあおめでとう男。これから頼りにしてるよ」

男槌士「よかったのう、男。でも、これで満足してはいかんぞ。これからも鍛錬を続けてより強くなれるようにするんじゃぞ」
以下略



663:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/05(水) 18:44:17.61 ID:RLjbm7yt0
男剣士「おいおい。男たるものこの程度で泣いてるんじゃねーよ。女々しいと思われるぞ」

男弓使い「とかなんとか言って、自分だって目尻に涙浮かべて必死に泣くのを我慢してるくせに」

男剣士「ばっ! ちげえよ、これはだな……そう! 汗だよ、汗。緊張して見てたから汗かいたんだよ」
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664:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/05(水) 18:45:32.35 ID:RLjbm7yt0
女隊長(よかったね、男。ホント、これまでずっと頑張ってきた成果が出て私も嬉しいよ)

仲間達の喜びの輪に入らずにいた女隊長だったが、そんな彼女に今回の主役の男が気がついた。そして、幾つもの手にもみくちゃにされている中を飛び出して、女隊長の元へと駆け出した。

男「女隊長!」
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665:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/05(水) 18:46:10.63 ID:RLjbm7yt0
女隊長「あの……ね、男。そろそろ離れてくれないと私……」

そう言いつつそっと男の背中に腕をまわして優しく抱きしめる女隊長。互いに抱きしめ合う状況がしばらく続いた。

男「……」
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666:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/05(水) 18:46:42.76 ID:RLjbm7yt0
女剣士「いや〜、女隊長に少年趣味があるとは思わなかったな〜」

女魔法士「年下の男の子と大人の女性の恋愛……。ありですね……はぁ、はぁ」

男剣士「男め……うらやま。いや、けしからん」
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667:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/05(水) 18:47:30.94 ID:RLjbm7yt0
みんな男の行動や女隊長の行動に特に深い意味はないと分かって入るもののからかうのは止めない。いつも通りの展開になった仲間達を見て男は笑顔を浮かべる。
新しい家族とも呼べる仲間達ができたことによって浮かべる事ができるようになった笑顔を。

男「みんな、そんなにからかったら女隊長がかわいそうだよ!」

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668:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/05(水) 18:47:56.60 ID:RLjbm7yt0
エルフ一行の偵察の任を受けてはや一週間が過ぎようとしていた。エルフ達が目撃された地点は既に過ぎ、そこに残された僅かな痕跡を辿って男達はエルフ達を追跡していた。
しかし、己の存在を相手に気取られてはいけない偵察任務では行進は慎重にならざるをえず、その歩みは遅く、更には木々やでこぼことした獣道が進行速度をより遅れさせていた。
そして、それとはまた別に彼らの行く手を阻む存在も。

男剣士「気をつけろ、猪型の魔物だ! 男、女魔法士援護頼む! 火の魔法は目立つから極力使うなよ」
以下略



669:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/05(水) 18:48:30.26 ID:RLjbm7yt0
視線の先に存在するのは普通の猪より一回り大きな体躯の魔物。鼻横から生えている二つの牙は長く、鋭い。突き刺さればそのまま絶命するだろう。
山奥に現れた久方ぶりの大物な獲物を見て興奮しているのか、猪は鼻息を荒げてこちらを地面を何度も踏みつけ、こちらを睨みつけていた。
そんな猪に対して剣を構え、牽制をするのは男剣士。彼の後ろには、援護をするため魔法紋を描き始めたのは男と女魔法士。
宙に描かれる幾何学模様の魔法陣や文字の羅列。その一つ、一つに意味の込められた常人には理解できない魔法起動のためのプロセス。
単体では効力のないそれを全て描き終えた時、魔法は発動し、その効力を真に発揮する。
以下略



670:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/05(水) 18:49:11.79 ID:RLjbm7yt0
まず最初に魔法を発動させたのは女魔法士だった。魔法紋からは目には見えない渦巻く風の刃がいくつも宙に浮かび、轟音を上げて周りの葉や砂を巻き上げている。
それを見た男が次に魔法を発動させる。魔法紋からは光が発せられ、離れた場所に立つ猪の足下から太い蔓が生え、その足に絡み付き動きを止める。男の援護を確認すると女魔法士は宙に留めていた風の刃を一斉に解き放つ。
凄まじい速度で猪の元へと飛んで行く風の刃。まるで抜き身の名刀がいくつも飛び交うようなそれは猪の身体を容赦なく切り刻み、その身体から大量の血を吹き上がらせた。
絶叫を上げる猪。だが、そんなことで情けをかける男達ではなく、男剣士は剣を横に水平に構えて猪の顔の正面に突き込むために駆け出した。

以下略



671:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/05(水) 18:49:43.72 ID:RLjbm7yt0
男槌士「どっせぇい!」

突如近くから野太い声が聞こえたと思うと、男の眼前にいた猪が何か大きな飛来物によって吹き飛ばされていた。苦痛の叫びを上げ、地を転げ回り、先程切り刻まれた傷口からは増々血を吹き散らす猪。
急な出来事に何が起こったのかと男達が思っていると、いつの間にか男剣士のすぐ横に男槌士が立っていた。

以下略



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