過去ログ - エルフ「……そ〜っ」 男「こらっ!」
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2012/12/05(水) 18:50:10.91 ID:RLjbm7yt0
男槌士がそう言うと、地を力強く踏みしめ、早足で駆け抜ける音が聞こえてきた。そして、黒い影が二つ眼前を通り過ぎたと思うと、未だ大地に倒れふしている魔物に向かって襲いかかった。
女槍士「てえええええええい!」
女剣士「はぁっ!」
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2012/12/05(水) 18:51:02.71 ID:RLjbm7yt0
男槌士「がっはっは! これで貸し一つじゃな。町に戻る事になったら酒をたらふく奢ってもらうかの」
男剣士「ちっ、しょうがないな。その代わりに財布の中身がすっからかんになるまで飲むのは勘弁くれよ」
男槌士「わかっておるわ。がっはっは!」
以下略
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2012/12/05(水) 18:51:34.79 ID:RLjbm7yt0
何でもないように男は返事をし、皆の輪に入っていく。その様子に違和感を感じながらも、女槍士はそれ以上男に何かを聞く事はなかった。
しばらくして、別の場所を探索していた女隊長と男弓使いが合流し、それぞれの成果を報告し合う。
女隊長「みんなお疲れ! どう、なにか手がかりになるようなものは見つかった?」
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2012/12/05(水) 18:52:12.31 ID:RLjbm7yt0
男剣士「いや、そう決めつけるのは早いぜ。見ろよ」
そう言って彼が指を指したのは一見すると何もない獣道。
男弓使い「……何もないが?」
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2012/12/05(水) 18:52:41.81 ID:RLjbm7yt0
行進を続ける事数時間。空は暗くなり、夜が訪れた。周りの安全を確認し、小さな火を熾し、一同は交代で仮眠を取っていた。
パチパチと燃える薪に目を移しながら、男は見張りの番についていた。周囲に意識を張りながらも、ジッと膝を抱え込み、何かを深く考え込んでいる様子だ。
そんな彼の元に一つの影が近づいていた。男に気づかれないようにそっと近づき、一気に距離を詰めてその背に抱きつく。
女隊長「お〜と〜こ! どうしたの、浮かない顔して。もしかして結構疲れが溜まってる?」
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2012/12/05(水) 18:53:28.82 ID:RLjbm7yt0
女隊長「ん〜それは分かっているんだけどね。ちょっと、眠れなくて。それに、男を一人にしておくにはちょっと心配だったから来たんだ」
男「もう……また子供扱いして」
女隊長「ごめん、ごめん。嫌だった?」
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2012/12/05(水) 18:54:13.62 ID:RLjbm7yt0
男「いいよ、もう。女隊長が僕のこと手のかかる子供って思ってるの知ってるし」
女隊長「う〜ん、どっちかと言えば手のかかる弟かな?」
男「対して変わらないじゃんか」
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2012/12/05(水) 18:54:43.08 ID:RLjbm7yt0
胸の内に抱えていた不安を少しずつ曝けだす男。そんな彼に女隊長は優しく問いかける。
女隊長「急にどうしたの? もしかして昼間の件で怖くなっちゃった?」
男「ううん、別に怖くなったとかじゃないんだ。みんなと一緒に行動してもう結構な月日が経つよね。その間、みんながどれだけ強いかを直に見てきたんだ。だから、自分がどれだけ力が足りないかも知っている。
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2012/12/05(水) 18:55:14.00 ID:RLjbm7yt0
男「もしかしたら僕はまだみんなと一緒に行動するほど力がないんじゃないかって思ったんだ。あの時の試験だってギリギリだったよね。本当は駄目だってどこかで思ってた。
女隊長は合格だって言ってくれたけど……本当はって思っちゃって」
本当の実践を経験し、自分が努力して覚えてきた魔法が簡単に破られた事、そしてそれによって仲間を窮地に立たせてしまった事が余程ショックだったのだろう。日中男が浮かない顔をしていたのはそれが原因だった。
自分はまだ皆と共に戦える力はなく、情けで戦いに参加させてもらっているのではないだろうか? そんな考えばかりが浮かんでしまっていたのだ。
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2012/12/05(水) 18:55:44.64 ID:RLjbm7yt0
再び訪れる沈黙。すれ違うそれぞれの意見。少し口を出しすぎたと男が後悔をし始めた頃、今度は女隊長が話を始めた。
女隊長「私ね、弟がいたんだ」
男「えっ?」
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2012/12/05(水) 18:56:14.31 ID:RLjbm7yt0
女隊長の話を聞いて男は自分に似ていると感じた。そして、今彼女の隣にその弟の姿がないことからも、この先に待ち受けている結末にも勘づいてしまった。
女隊長「でもね、子供がいつまでも逃げられるわけもなくてね、私と弟は途中でエルフに捕まったんだ。
それまで、私はずっと弟の手を繋いでた。どこに行くのにも、なにをする時も。私がお姉ちゃんなんだから弟を守ってあげなきゃって思ってたんだ。
だけど、いざ死を目の前にした時に私は怖くなったんだ。死にたくない、死にたくないって思った。そして、繋いでたその手を……離しちゃったんだ」
以下略
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