過去ログ - エルフ「……そ〜っ」 男「こらっ!」
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2012/12/07(金) 00:58:16.50 ID:HuDDvyyN0
女槍士「私たちがいなくなってもまだ男がいるでしょ? なんだかんだ言っても男はまだ子供なんだから女隊長が守ってあげるのよ。それで、あと二年も経てば今度は男が女隊長を守ってくれるようになるから。
それまでは、手を出さないで仲良く二人で過ごすんだよ」
それだけ告げると女槍士は二人から身体を離した。
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2012/12/07(金) 01:46:35.91 ID:HuDDvyyN0
……
…
必死に、必死に女隊長は男を連れて駆けていた。空は赤く染まり、もうすぐ闇が訪れようとしていた。
以下略
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2012/12/07(金) 01:47:31.10 ID:HuDDvyyN0
女隊長「くっ! ううっ……」
あまりの悔しさに思わず女隊長は歯を力強く噛み締めた。あれだけ、みんなが犠牲を払ってくれたというのに見逃してくれないのか。このまま自分たちまで倒れることがあっては、一体何のために彼らは命を賭けて時間を稼いでくれたのかと女隊長は思った。
女隊長「……」
以下略
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2012/12/07(金) 01:48:11.52 ID:HuDDvyyN0
男「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」
未だ謝り続ける男。だが、この時ばかりは女隊長も心を鬼にした。全てはそう、彼のために。
バシッ! と甲高い頬を叩く音が周りに響いた。女隊長が力強く男の頬を叩いたのだ。
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2012/12/07(金) 01:48:38.17 ID:HuDDvyyN0
男「なに、その命令? なんだよ、それ。なんで僕にそんな命令するの? 女隊長は? 女隊長はどうするんだよ!」
男の問いかけに女隊長は悲しそうに微笑んだ。
女隊長「私は、ここに残るよ。それが、みんなが私にしてくれてことに報いることになると思うから。
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2012/12/07(金) 01:49:05.67 ID:HuDDvyyN0
女隊長「もう、あまり我が儘言って私を困らせないで。そんなんじゃいつまで経っても子供扱いのままだよ」
男「……いいよ、いつまでも子供扱いで。だからッ!」
女隊長「子供はね、大人の言うことを素直に聞くものなの。それに、私はあなたの上官。上官の命令に部下は絶対に従わないといけないんだから」
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2012/12/07(金) 01:49:33.61 ID:HuDDvyyN0
女隊長「ごめんね、本当は私ももっと一緒にいたかった。男と一緒に、みんなと一緒に楽しい毎日を送りたかった」
そう言って女隊長は男を抱きしめ返した。そして、しばらく互いに抱きしめ合った後、女隊長が男を引き剥がした。
女隊長「さあ行って。このままだと敵がすぐに追いついてくる」
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2012/12/07(金) 01:50:04.20 ID:HuDDvyyN0
……
…
それからのことを男はあまり覚えていない。ただずっと、ひたすら走り続けた。今が何時なのか、朝なのかも夜なのかも、自覚しないままただずっと走り続けていた。
以下略
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2012/12/07(金) 01:50:33.24 ID:HuDDvyyN0
男「僕の、せいだ。僕が、無茶をしなかったら……」
自分を守る力すらないのに驕り、無茶をした結果がこれだ。再び手に入れた大切な存在、家族と呼ぶべき人たちはまたしても自分の周りから消えていった。
その喪失感は以前とは比べ物にならないほど深く、心に突き刺さった。
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2012/12/07(金) 01:59:07.13 ID:HuDDvyyN0
終わったああああああああああああああ!
ついに、ついに喪失編終わりました!
いや〜ストックがあったとはいえ、ここまで書くのは長かった。
前の板から見ていただいてる方にしてみればこれが終わるのに半年以上かかっています。
文章量も今まで一番長かった騎士との話より1.7倍以上あります。
以下略
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