過去ログ - エルフ「……そ〜っ」 男「こらっ!」
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819:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/12(水) 00:45:06.16 ID:czMDyijN0
 男騎士から語られた話を聞いて男は言葉を失った。そして、先ほど抱いた不気味な何かの正体を掴みかけた。そして男は先ほどと同じようにもう一度、周囲へと意識を向けた。耳を澄まし、兵たちの会話を盗み聞く。

男兵士A「おう、何してるんだよ。こんなところで一人酒か? 男兵士Cはどうしたよ」

男兵士B「それなんだけどさ、聞いてくれよ。あいつこの間の戦闘の時に俺の目の前でエルフの土魔法を受けちまってよ。地面から生えてきた土の柱に腹部を思いっきり貫かれちまったんだよ。
以下略



820:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/12(水) 00:45:42.65 ID:czMDyijN0
男兵士A「全くだ! あ、そうだところでその肉いらねえなら俺がもらうぞ」

男兵士B「おお! 食え食え。この肉意外とうまいんだよな〜。近場で殺した魔物だけど、案外いけるもんだな」

 その会話を聞いて男は思わず絶句した。そして、先程から感じていた不快な感じ、その正体がなんなのかを理解する。
以下略



821:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/12(水) 01:12:22.35 ID:czMDyijN0
 そして、そのことに対する危惧を男が抱く中、男騎士と女棋士による指示でそれぞれに割り当てられた家屋へと一同は向かった。久方ぶりの温かなベッドでの睡眠に誰もが喜びを顕にする。
 そんな中、ほかの兵士たちとは違い、同じ家屋へと割り振られた男と男騎士の二人だけは暗い面持ちでいた。

男「ねえ、男騎士」

以下略



822:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/12(水) 01:26:51.81 ID:czMDyijN0
……



 ドンッ! と鼓膜を破るほどの大きな音が聞こえ、男と男騎士はベッドから飛び起きた。
以下略



823:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/12(水) 01:48:50.77 ID:czMDyijN0
 女兵士Aの指示を受けた彼らは即座に村の広間へと集まった。横二列に並び、姿勢を正して指示を与える上官の到着を待っていた。
 やがて、待機する彼らのもとに頬に大きな切り傷のある女性が現れた。

女上官「ふむ、揃っているようだな。いいか、お前たち! 今交戦地帯でエルフたちを見張っている監視隊から派遣された連絡係が情報を持ってきた。
 現在、前線ではエルフと我が隊の魔法部隊が魔法による交戦行なっている。だが、やはり魔法に関してはあちらに分があるためにこちら側は劣勢だ。
以下略



824:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/12(水) 01:51:57.23 ID:czMDyijN0
女上官「いいか、必ずやり遂げろ。この命令に失敗の二文字はない! 先に言っておくが、お前たちはこの戦いで真の意味で兵士に生まれ変わる。
 エルフは殺せ。身体を焼かれ、四肢を弓矢で打ち抜かれたとしても持ち前の武器である歯を使ってでも奴らに傷をつけろ。
 死んだ仲間には情を抱くな。それはもはやただの肉の塊だ。悲しみを抱くくらいならエルフの奴らを憎んで、一人でも多くあいつらの命を刈り取れ!
 この程度で死ぬような奴はどこの戦場に行っても真っ先に死ぬ。そんな奴はこの北方地帯の部隊には必要ない。
 いいか、生き残った奴が全てだ。無様でも、醜くても、意地汚く生き残れ!
以下略



825:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/12(水) 01:53:11.68 ID:czMDyijN0
今日はここまでで。明日は続きが書けるようであれば書きたいです。


826:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/12/12(水) 09:49:19.04 ID:UeBr7Pe0o



827:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/15(土) 00:49:37.10 ID:hPuuzhub0
>>826
ありがとうございます。

少し日が空きましたが続きを書きます。よろしくお願いします。


828:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/15(土) 01:02:49.13 ID:hPuuzhub0
 戦場へとその身を投じた新兵たち。だが、勇気を振り絞って死地へと飛び込んだ彼らを待っていたのは、これまで腕利きの人間たちと死闘を繰り広げながらも生き残ってきたエルフたちの手厳しい洗礼だった。
 上空にて魔法と魔法がぶつかり合う中、自身やその周囲めがけて放たれるそれに新兵たちは無謀にも立ち向かっていった。
 逃げ場などここには存在しない。引いた先に待つのは死。ならば、前へと突き進み、己の未来を掴み取るしかない。
 腕を射抜かれ、頭を切断され、足を砕かれ、身体を焼き散らされ、目の前で次々とこれまで共に過ごした仲間たちが死んでいく。悲しみを感じる間もなく、彼らは自分の命を守るためにエルフに立ち向かっていった。

以下略



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