過去ログ - エルフ「……そ〜っ」 男「こらっ!」
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953:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/31(月) 17:59:13.70 ID:EQvKQYAS0
エルフ兵「ひ、ひぃっ!」

 その悲鳴を上げたのがきっかけかわからないが、この場にいる誰もが柱の正体を理解する。あれは、この場から溢れ出た皆の血を集めて作られたものなのだと。
 見たことも聞いたこともない全く新種の魔法を前に、エルフたちの恐怖心はこの瞬間一気に頂点に達した。
 どのように生み出したのか、一体どのような効果があるのかもわからないそれ。理解しがたいものを前にした者たちの取る行動は単純で、戦うという選択よりも逃亡≠キることが今の彼らの中では最優先になっていた。

エルフ隊長「なっ! 貴様ら、逃げるな! 戦え!」

 逃亡を止めようと必死に声を張り上げるエルフ隊長であったが、その叫びもむなしくエルフたちは我先にと男の元から離れていく。
 だが、そんな彼らにさらなる恐怖が襲いかかった。

男「……逃がさない」

 そう呟き、男はさらなる紋様を描き出した。そして、それが完成すると同時に強固な固体であった血の柱は一瞬にして液体に変貌し、逃げ去るエルフの後を追った。
 背を見せ逃げ去るエルフたち。その最後尾に位置していた者たちに、ついに血が追いつき再び強固な固体へと変化した。
 今度は細く、鋭い柱が幾人ものエルフたちの背中を貫き、刺殺した。だが、前を走るエルフたちは後ろで何が起こっているのかを目にしたくないのか振り返ることなくそのまま逃げ去る。

男「逃がすか……。そうさ、女槍士や女隊長のときだってこんな風に必死に逃げてたんだ。でも、お前たちは僕らを逃がしはしなかった。
 なら、僕だって……」

 そう言って魔法によって動かした血にさらなる追撃を命じようとしたところで、男の耳に仲間の叫び声が聞こえた。

騎士「が、あああああああああッ!」

女騎士「う、ぐぐぐぐっ!」

 その叫びを聞き、騎士と女騎士の方向を向くと、彼の視界に映ったのは二人の傷口から流れる血がエルフたちを貫いたものと同じように凝固し天に向かって伸びていたのだ。



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