過去ログ - 「俺は愛を餌に生きてィる」
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15: ◆QkRJTXcpFI[sage saga]
2012/11/30(金) 12:06:29.26 ID:nlsr789Z0
結局無駄足だったかと二時間程少年を歩かせて"蜃気楼"は諦めかけていた。
その時、偶然にもありがたい事故に会う。

女「あれ? 少年くん?」

少年「……」

少年に声をかけたのはクラスメイトの女子。そして、少年の想い人でもあった。

「なんて幸運だ。そうでもなィか? 今日は日曜日で遊ぶとなればここに来る者が多ィ。
 なんにせよ有効活用させて貰おう。それにしても――なぜ嬉々としなィ」

喜色満面とは対面の感情。またしても少年は恐怖していた。
少年にとって、全ての事柄は恐怖で象られてしまう。

「まずは楽しみの種を蒔ィておこう」

しかし種は着地することすら叶わなかった。それほどまでに少年に宿る恐怖は大きい。
それはつまり、女生徒の影響が強大だということも示している。

女「少年くんが街にいることもあるんだね。なんだかイメージ湧かないな」

女生徒は絶世の美女というわけでもなければ、クラスのアイドルにも届かない。
造形は整っている方ではあるが、少年が想いを寄せる理由は別にある。

女「私はね、服を買いに来たんだっ。でも友達とはぐれちゃってさ」

少年が無言でも話し続けてくれるということ。
孤独な彼が想いを寄せるには充分な理由だった。


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