16: ◆QkRJTXcpFI[sage saga]
2012/11/30(金) 12:07:51.16 ID:nlsr789Z0
「ならば哀しみの種はどうだ。
ここまで気にかけてくれてィるのに、なにも返せなィ自分を悔やむんだ」
しかしその種もまた恐怖が飲み込んでしまう。
暗雲が轟く空の下で"蜃気楼"は唐突に笑顔になった。
誰かが見ていれば変人だと指を差していただろう。
だが"蜃気楼"はそれ所ではなかった。
"蜃気楼"は自分のことを思慮の深い存在だと認識している。
感情の起伏が乏しいのではなく、理性で事象を処理する存在だと。
発現してからこれまで百数十年の間、自己認識に違わぬ言動をとってきた。
だから、それは。
「巫山戯るんじゃねえええええええええええィ!」
滑稽なことに、産まれて初めての激情。
三ヶ月、溜めに溜めた怒りの爆発だった。
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