4: ◆QkRJTXcpFI[sage saga]
2012/11/30(金) 11:58:01.29 ID:nlsr789Z0
改めて少年は"異質"を目の当たりにして、蜃気楼のようだと怯えた。
化物めいた輪郭はあれど、ゆらゆらと動くそれに実態は伴っていそうもない。
幼少の頃に熱中していたヒーロー番組を思い出す。
欲望を叶える代わりに魂を奪う化物。確かそんな敵役がいた筈だと。
少年「……ぃゃだ」
「素直に教えた方が身のためだぞ? 実力行使に訴えれば、君の命はゴミ屑同然だ」
少年「……ぃっても僕は死ぬでしょ?」
「死ぬ? そんな不条理なことはなィ。ただ少しだけ、空っぽにはなるだろうけれど」
少年「……それなら尚更教えられない」
少なくとも、"蜃気楼"が求める愛する者を教えればその人に迷惑がかかるのだろう。
自分がどうかなってしまうよりも、少年にとってはそちらの方が問題だった。
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