過去ログ - 【オリジナル】魔導機人戦姫 第34話〜【なのかもしれない】
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[saga sage]
2012/12/03(月) 20:13:17.57 ID:uc/YTnbAo
クライノート<クリス、周囲を囲まれています>
その時、周囲を警戒していたクライノートが警告を発した。
クリスは立ち止まって辺りを見渡すと、
確かに先程まで周囲を覆い尽くすだけだった機人魔導兵達が、
いつの間にか周囲を意図的に取り囲んでいる事に気付かされる。
数は四十。
周囲を隙間無く取り囲む円陣型の陣形だ。
クリス「うそ、いつの間に……」
クライノート<どうやら彼らに脅威認定されたようですね>
呆然と声を漏らしたクリスに、クライノートは淡々と推測を述べた。
研究院が誇る前線型Sランクエージェント二十五名とAランクエージェント五十四名、
総勢七十九名全員が揃っている戦場でBランクですらない自分を脅威認定してもらえた事は光栄だが、
今はそんな感慨に浸っていられる場合ではない。
クリス「クライノート! 出力最大で氷の障壁!」
クライノート<了解です、クリス>
主の指示に愛器が応え、彼女の足下にあった氷河の表面が砕けると、
その周囲に巨大な円筒型障壁として再構成される。
魔力を含み、高密度に圧縮された氷の盾だ。
魔力弾も物理攻撃も防ぐ、最高クラスの障壁である。
周辺の地形を構成する物質――今回の場合は氷河を構成する氷――を砕き、
障壁化するクリスの得意とする防御魔法だ。
クリス「これなら……!」
クリスはさらに障壁に魔力を込めた。
機人魔導兵達は一斉攻撃を仕掛けるものの、
高密度に圧縮された魔力と氷の障壁に阻まれ、クリスに近付く事もままならない。
魔力弾、体当たり、その全ての攻撃を防ぎきる正に鉄壁の防御。
クリス「クライノート、押し潰すよ!」
クライノート<畏まりました>
クリスはクライノートに指示を出すと、
自身を取り囲んだ機人魔導兵達を取り囲むように新たな障壁を作り出す。
機人魔導兵達がドーナツ型の障壁に囚われた事を悟ったのは、
障壁同士の隙間が狭まり始めた直後だった。
クリス「グラビテーションシュライファー!」
クリスの叫びと共に、二枚の障壁は一気にその幅を狭める。
グラビテーションシュライファー――重力の粉砕器の名の通り、
クリスを取り囲んだ機人魔導兵達は表層の氷ごと一気に押し潰された。
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