過去ログ - 【オリジナル】魔導機人戦姫 第34話〜【なのかもしれない】
1- 20
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/12/03(月) 20:13:45.06 ID:uc/YTnbAo
クリス「ふぅ……っ、ハァ……」

クリスは大きく息を吐く。

魔導装甲とインナーの防護服で熱さ寒さの類はかなり軽減されており、
体温の上昇に合わせた調整がされているにも関わらず、クリスの全身はひどく汗ばんでいた。

クライノート<大丈夫ですか、クリス?>

クリス「うん……人間が相手じゃないから……大丈夫」

心配そうに尋ねた愛器に、クリスは額に浮かんだ汗を拭う。

クライノートも主の汗を魔力でぬぐい去り、
その身体が冷えないように適度な暖かさに調整する。

クリス「ありがとう……クライノート」

クライノート<いえ……マスターの体調管理もギアの責務ですので>

少し申し訳なさを含んだクリスの感謝に、クライノートは優しい声音で応える。

と、その直後に異変は起きた。

表層を削られて薄くなった足下の氷河に、不意に大きなヒビが走った。

クリス「え!?」

足下に生まれたヒビに、クリスは驚愕する。

ブリーフィング後の通達では、戦場となる氷河はかなり分厚いため、
氷河に対してもある程度のダメージは許容されると聞かされていた。

現に周囲の仲間達も、炎熱系や雷電系の高い熱量を伴う魔法を使っており、
自分より盛大に氷河を破壊している者達の姿も見える。

だが、こんな巨大なヒビが走っている場所はない。

このまま巨大クレバスが発生するのでは、と警戒しつつ、
クリスはひび割れの下を見遣った。

クリス「あれ……?
    これって、まさか……!?」

ひび割れの下に見えた光景に、クリスは小さく驚きの声を上げる。

周囲はグラビテーションシュライファーの作り出した分厚い障壁に守られており、
敵もおいそれとは手出し出来ないだろう。

クリスは安全が確保されている事を確認すると、
最小限の威力で足下にグラビテーションボーゲンを放つ。

すると、氷河の一部が押し潰されて砕け散り、
ひび割れの発生していた部分に大きな穴が穿たれる。

九日前の対魔力結界の施された分厚い強化ガラスと違い、
この程度の氷河を押し潰すのは容易い。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
831Res/1775.33 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice