過去ログ - モバP「成宮由愛をお祭りLIVEに参加させる?」
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/12/12(水) 03:28:13.78 ID:8h0ZN2tK0
注意事項
1:地の分付き&Pの一人称視点
2:CoPということで文中のPの呼び名はCo=コウ
3:Coアイドルメインです
上記の点に問題ない方は続きをどうぞ。
SSWiki :
ss.vip2ch.com
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/12/12(水) 03:28:44.56 ID:8h0ZN2tK0
「知らない人に会うの……ムリなのに……。私……どうしたら……」
それが俺がプロデュースした少女にはじめて会った時、彼女がもらした言葉だった。成宮由愛、それが彼女の名前である。
色素の薄い髪と華奢な体つき、やわらかな顔立ちは妖精のようであり、うちの事務所に応募してくれた由愛のお母さんには心底感謝している。
はじめこそアイドルをやることには前向きではなかったものの、コミュニケーションを重ねていくうちに彼女と少しずつ打ち解け、仕事も少しずつ増えてきた頃、こんなことがあった。
以下略
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/12/12(水) 03:29:18.81 ID:8h0ZN2tK0
「後で地図と日時が入った資料を渡す、一応下見はしておいてほしい」
「ええ、わかりました」
にっこりと通称ちひろスマイルを返す千川に苦笑を返し俺は当日の参加メンバーのスケジュールを座って確認した。
以下略
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/12/12(水) 03:30:15.22 ID:8h0ZN2tK0
銀めいて色素の薄い髪の妖精、いやいや現実のアイドルである成宮由愛がそこに立っておりはにかんだ笑顔を俺に向けていた。
思わず、どきりとする。プロデューサーとして一線を越えるどころか近づかないよう心がけているつもりなのだが、だが、千川に言わせるといつ踏み越えるか気が気ではないとニヤニヤしながら指摘されたこともあった。
「こんにちわ、コウさん、ちひろさん」
「こんにちは、由愛。レッスンにはまだ時間があるはずだいたぁ!?」
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/12/12(水) 03:31:08.36 ID:8h0ZN2tK0
「あの、今は何のお仕事を……?」
「今度行われるお祭りでうちの事務所のメンバーでライブイベントを行う。その調整だな」
「お祭り、ですか」
今のやりとりの後、うつむいて何事か考え込むそぶりを見せる由愛から視線を外し(つい撫でてしまいそうになるからだ)俺はパソコンに向き直った。ステージの設営や資材の搬入について、業者に申し込む必要がある。準備すべき事柄は非常に多く、煩雑だ。
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/12/12(水) 03:32:17.86 ID:8h0ZN2tK0
「わかった、由愛にも参加してもらうよ」
俺の言葉に少女は緊張した面もちを破顔させて微笑む。
あまりの可愛らしさに思わず見とれてから、俺は軽く咳払いをして再度由愛と視線を合わせた。
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/12/12(水) 03:32:56.22 ID:8h0ZN2tK0
「わ、我が下僕と魂の盟友が夕闇の下で契りを交わそうと……!(ぷ、プロデューサーさんと由愛ちゃんがキスしようとしてるっ……!?)」
蘭子の乱入に硬直した後、彼女の言葉を理解するのに数瞬の時間を要してから、(なお由愛は言葉の意味をすぐに理解したのかさっと目を伏せた)慌てて俺は弁解を始めた。我ながら情けない姿だ。
「違う、違うぞ蘭子、俺はあくまでプロデューサーであってお前たちアイドルと一線を越えるようなことは、じゃなくて由愛には仕事の説明をしようとしてただけだ!」
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/12/12(水) 03:33:44.90 ID:8h0ZN2tK0
何とか落ち着きを取り戻した蘭子と、頬を赤らめている由愛と共に俺は応接室に移った。
千川は影からことの事態を楽しんでいたのか微笑んでいる。後でしり叩きだな……
千川がお茶を置いて退出した後、由愛と蘭子はようやく落ち着いたようでいつもの様子に戻っていた。年も近く、趣味も絵を描くことと共通している二人は実の姉妹のように仲がよい。
「それで、今度の仕事のことだが」
以下略
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/12/12(水) 03:34:11.13 ID:8h0ZN2tK0
「……大丈夫、やれます」
少女の頬をゆるく汗が流れ落ちる。
由愛の緊張をほぐすために俺はぽふ、と彼女の髪をなでてやる。
目を閉じて感触を確かめる由愛と少々不満げな蘭子の視線。
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/12/12(水) 03:34:39.76 ID:8h0ZN2tK0
それからイベントの数日前のことだ。
舞台の設営、演奏する楽曲の選択と順番など必要な案件はきっちりつめておき、後はアイドル達の仕上がりを待つばかりとなった。
レッスンをたびたび確認しても仕上がりは着実に近づいてきている。後は本番のプレッシャーと人数の威圧感につぶされなければ問題はない、彼女達を信じなければ。
そうこうしているとレッスンを終えた少女達の会話が聞こえてきた。
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/12/12(水) 03:35:29.04 ID:8h0ZN2tK0
(まあ個性があっていい……のか?)
博士の趣味なんかは露骨に錆びた鉄と硝煙の香りでむせそうになる。ボトムズとかああいう路線を目指しているのだろうか?
「三人ともお疲れさま、ユニットの調子はどうだい?」
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/12/12(水) 03:36:29.48 ID:8h0ZN2tK0
三人を見送ると俺はレッスン場に歩いていく。二人の様子が気がかりだった。
レッスン場のドアをあけると少女二人の美しい歌声が耳をふれる。
トレーナーの指示の元、二人はデュエットに力を入れているようだ。息もあっており、見事な歌唱力を俺に披露してくれていた。
指導のための中断などもなく最後まで歌い終えると、二人とも俺の姿を見つけてかけよってきた。そのことに苦笑しつつもトレーナーさんは笑って見逃してくれる。
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/12/12(水) 03:37:03.29 ID:8h0ZN2tK0
(二人ともきれいな体してるよな……)
ぼんやりと出た感想をかぶりをふって打ち消す。二人ともまだ中学生、なのだが。
俺の葛藤を他所に二人はすぐ戻ってきた。
こちらを見て笑いかてくれる二人になんともいえない感情を持て余しつつ、俺はトレーナーさんに別れを告げてレッスン場を後にした。
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/12/12(水) 03:37:41.27 ID:8h0ZN2tK0
「ついていこうか?」
「余りにも短き道程であれば(すぐそこだから大丈夫です)」
さっとドアを開けて出て行く蘭子の姿を見やる横で今度は由愛に話しかけられた。
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2012/12/12(水) 03:38:14.52 ID:8h0ZN2tK0
俺の返事に満面の笑顔を返す由愛にこちらも不意に照れてしまう。
この笑顔だけでも承諾して良かったと思える、そんな笑顔だ。
何となくほんわかした空気が流れる中、そそくさと蘭子が戻ってくる。
彼女はとにもかくにも一目につきやすいのが心配だ。
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/12/12(水) 03:39:14.38 ID:8h0ZN2tK0
それから数日後、イベントの当日の朝の、事務所でのことだ。
「それじゃ、成宮さんはコウさんが送っていくんですね?」
「ああ、約束したんでな」
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/12/12(水) 03:40:14.25 ID:8h0ZN2tK0
現地での最終確認は驚くほど順調だった。前日にリハーサルはすませておいたし、機材にも不備や欠損はない。衣装とメイクスタッフもすでに現地入りしてスタンバイしている。
チェック項目を一つづつすませ、アイドル当人達以外の準備が済んだのを確認してから俺は臨時に設営されたスタッフルームにて一息ついていた。
(由愛を迎えに行くにはまだ時間があるな)
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/12/12(水) 03:40:59.76 ID:8h0ZN2tK0
それから小一時間ほど立ってからのこと。
ようやく目が覚めた由愛と連れだって、俺はお祭りを散策し始めた。
俺は来るのは初めてだったこのお祭りは思ったよりも規模が大きく、夕焼け空の下で多くの人がごった返している。油断するとはぐれてしまいそうな人混みをかき分けて俺と由愛は祭りの縁日を楽しんでいた。
「あの……」
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/12/12(水) 03:41:38.78 ID:8h0ZN2tK0
「人混みは平気か?」
「はい……人がいっぱいいるところ苦手で……お祭りは来たことがなかったから……き、今日はプロデューサーさんがいるから……平気……です。でも……離れないでくださいね?」
「ああ、もちろんだ」
照れ隠しに聞いた質問に由愛はおずおずとうなずいた。彼女は他人の存在が苦手だったはずだから、耐性がついてきたのは良いことだ。
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/12/12(水) 03:42:11.13 ID:8h0ZN2tK0
りんご飴を手にした由愛を連れて人混みをかき分け、座れるような場所を探すと運良く休憩所にされた空き地を見つける。
臨時に設置されたベンチに先に由愛を座らせ、自分も座る。
横の少女の様子を見ると、はじめてなせいかどう食べるのかわからないのか、あるいはその透き通った輝きに見入っているのかじっと由愛はりんご飴をかざしている。
とりあえず、どう食べるのか、といってもスプーンで叩いてひびをいれるのは出先では無理があるので前歯でてっぺんをかんで割ってから、かりかりと食べ進めて見せる。
由愛も俺の食べ方を見て納得したのかりんご飴を食べ始めた。もっとも彼女の小さな口では俺のようにはいかないのだが。
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/12/12(水) 03:43:04.98 ID:8h0ZN2tK0
「到着時刻に間に合わない?」
「はい〜……道路が予想以上に混んでいて、皆さんの集合にも時間がかかってしまいまして」
「いいわけは後だ、後どのくらいかかる」
「予想できません、その、全然進まないですよ?」
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