15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/12/25(火) 01:22:27.32 ID:ciVG5wjy0
まさか瞳子さんもこの展開を見越してサンタ云々を言ったわけではないだろうが……いやはや。
「起こるものだな、偶然というのも……」
「? 今、何か〜?」
「いや、何でもないよ」
サンタのお仕事と聞いてすぐは、その真偽、はたまた存在すら疑ったものの、どうやらイヴは本気らしかった。
事務所的には何事もなく肩透かしで済んだのだからいいのかもしれないが……それで終わらせてしまえば目の前で困り果てているイヴを無碍に見捨てるすることになる。
下で待っているちひろさんに重ねて申し訳なく思いながらも、やはり私はイヴの話につきあっていた。
「ん〜…… あっ、あそこ、あの青い屋根の二階建てのお家、見えます〜?」
「どれだ…… あの川沿いの、庭のある家か?」
「そうです〜、兄弟そろってすごくいい子が住んでいて〜…… あっ、それにその2区画先のアパートの3階の右から2番目の」
「いっぺんに言われてもな……」
「え〜とそれじゃあ、あの家とあの家とあの家とあの家と」
「いっぺんに指さされてもな……」
屋上の端から、ぼちぼち明かりの消えてきた町並みをぼんやり眺めつつイヴの話を聞く――ついでに、寒いのでブリッツェンの背に寄っかかるような形で暖をとらせてもらうことにした。
イヴも同じように町の方を向いているが、私と違って見る場所は決まっているようだ。
話から推測するに、サンタとして今日プレゼントを配って回る予定の家だろう。
それは数軒どころではなく、聞いている限りでは数百軒近い数があるようだった。
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