26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/12/25(火) 01:48:17.73 ID:ciVG5wjy0
「おいイヴ!落ちる!いったんブリッツェンを止めてくれ!」
「は、はい〜!ブリッツェン、ストップですよ〜!ストップ〜!」
屋上に踏み入った私の目にしたものは、空を飛ぶトナカイとソリ。それに乗るイヴちゃんと、ぶら下がる真奈美さんでした。
「……ん? ちひろさんか、心配かけてすまないな!今ちょっと大変だから、十秒待ってくれ。よっと……!」
「わ〜、木場さん力持ちですね〜。けんすいで軽々登って来ちゃいました〜」
「普段から筋トレは欠かさなかったが、こんなところで役に立つとはな。まぁ、こんなことで投身自殺は御免こうむる」
「うぅ、すいません〜…… で、えっと、荷台につかまってればひとまず大丈夫ですかね〜? 行きますよ〜?」
「おい、本当に行くのか? できれば座席に座らせて欲しいしまだちひろさんとの話も……って、もうブリッツェンもやる気だな」
空に浮かんだままの二人を、ブリッツェン?はまたぐいぐいと牽引し始めます。
そして私が呆然と立ち尽くしていると、遠ざかり始めるソリから身を乗り出して、真奈美さんが声をかけてきました。
「あぁ、そうだ。ちひろさーん!鍵束、投げるから受け取ってくれ!全部屋確認した、異常はない!」
「えっ、この状況は異常じゃないんですか!? ……わわっと!」
「何が起こっているのか分からないだろうが、私にも分からない!以上だ!」
「えっえっ、以上? 異常?」
異常だよね。だから何って話ですけど。
まったく話についていけてない私にも何のお構いもなしです。
とりあえず、真奈美さんが慌ててポケットから鍵束を取り出して投げてくるのを、危なっかしくキャッチ。
「とりあえず屋上だけ開けておいてくれ!先に帰ってくれて構わない!何かあったら連絡する!」
「お願いします〜! 行ってきま〜す!」
……そうして後に残されたのは、微かに雪の舞う夜空に消えていく二人(と一匹)をただ、ぽかーんと眺める私でしたとさ。
※ ※ ※
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