27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/12/25(火) 01:50:02.45 ID:ciVG5wjy0
イヴから渡されたサンタ服を着込むと、極寒の冬空にも何のことはなく耐えられた。
普段より近い雲と舞い散る雪、眼下に広がる光あふれる街と、思わず息を呑むような絶景がみるみるうちに流れていく。
普通に生きていては味わえない感覚にしばし感動を覚える……
が、今は少々イヴと話したいこともあったので、私は意識を現実に引き戻し、前方の座席に座るイヴに声をかけた。
「おーいイヴーーー!!」
全力で、声をかけた。
「えーーー!? 何ですかーーー!?」
「ひとつ聞いていいかーーー!?」
「ごめんなさーい!! 風で何にも聞こえませーん!!」
「ならスピードを落とせーーーッ!!!!」
「今のは聞こえましたーーー!! 減速しますーーー!!」
……トナカイというのは地上を時速80キロで走れるらしい。
まぁ空中はどうか知らないが、風で何にも聞こえなくなる程度には、ブリッツェンも速度が出るようだ。
歌のために培った発声法を無駄に発揮し、イヴに減速の意を伝えたところで、なんとか普通に話せるようになる。
「はぁ、はぁ…… ど、どうか、しましたか〜?」
「一つ聞きたいんだが、君はなんで私を連れて来たがったんだ?」
「はひぃ……ちょ、ちょっと待ってくださ……木場さん、なんで息、上がって、ないんですか〜?」
「おいおい、はぐらかすようなことでもないだろう」
「ち、ちが……」
どうやら簡単には話したくないことのよう……いや、単に息切れか?
今度みっちりレッスンしてやろうかと思わないでもない。
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