75:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/27(木) 15:04:01.92 ID:c0RIlJVf0
だんだんと眼下の光景が見慣れたものへと変わっていき、ついには事務所が見えてきた。
腕時計を見ればもう4時。ここを出発してからすでに6時間近く経っていた。
「帰ってきたのか……」
「あふぁ……そうですね〜、長かったです〜」
出発したときと変わらない様子の屋上。
入り口から何度も往復した足跡、端の方には私がイヴに全力トライされたときの豪快な跡もそのまま残っている。
ブリッツェンはゆっくりとスピードを落として、まるで駅の終点にでもついたかのようにゆったりと、私たちを屋上に降ろしてくれた。
どことなく、お疲れさまと言ってくれているようにも思え……私は一晩世話になったブリッツェンをぎゅっと抱きしめてから、ありがとうと伝え、イヴのもとへと返した。
「あふぅ……ブリッツェン〜、今日はお疲れさまでした〜。また来年もがんばりましょ……ふぁ」
「イヴ、大丈夫か? 足取りがおぼつかないようだが」
「ちょ、ちょっとだけ疲れましたね〜。お、お茶でも淹れてきましょうか〜」
「あ、イヴ……」
ぽてぽてと歩いていったブリッツェンの背に、ぼふりと倒れ込むイヴ。
ちょっとどころではなく疲れているようで、お茶を淹れると言いながら、ブリッツェンにそのまま運ばれる形で下の階へと姿を消した。
よれよれになりながらも、イヴが扉を引っ張れば開いたので、どうやらちひろさんはちゃんと鍵を開けておいてくれたようだ。
「明日も……というか、今日も仕事があるだろうに。大丈夫かね……」
やれやれと肩をすくめて、私はイヴの後に続いた。
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