74:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/27(木) 15:02:26.57 ID:c0RIlJVf0
仁奈とお父さんの声が聞こえなくなったあたりで、上機嫌にニマニマしているイヴに声をかける。
私のしたことと言えば、ピンチらしい連絡を受け取ってから必死に助けに行っただけだ。
そのため私は、何をどうしたらこのハッピーエンドにたどり着いたのか不思議でならなかった。
「……大成功じゃないか。どんなマジックを使ったんだ?」
「え? ……ふふっ、それはとっぷし〜くれっと、ですよ〜」
私が疑問をぶつけると……そういう気分なのか、イヴは唇にぴっと人差し指を当てて、くすりと笑う。
……面妖だ。
本人も大して似せる気はないのだろうが、普段のイヴからすればまったくもっておかしな口ぶりなのは確かだ。
私は思わず吹き出してしまう。
「ぷっ……何だそれは? 似合ってないぞ?」
「あ、ひどいです〜!さっきはもっと本気でやってたんですよ〜だ!」
さっき……? 仁奈の家でコレを披露する機会があったのか。
まぁ、案外コレのおかげでうまくいったのかもしれないし、功労者であるイヴをあんまりいじめるのも忍びない。
「ふふ、ごめんよ。まぁ、仁奈が幸せならそれでいいんだ」
「……もう〜、そう言われたらそれ以上なにも言えないじゃないですか〜」
「おや? もっと色々話してくれよ。これで話が終わったら、私がイヴをいじめただけになってしまう」
「それでもいいんですよ〜? いじわるな先輩にはお話聞かせてあげません〜」
「はは、悪かったよ。何があったのか、よければ聞かせてくれないか」
ごうごうと空を駆け抜けるソリの上で、私たちは軽く言い合いをしながら、仁奈の家であったことを振り返った。
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