37:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/01/11(金) 00:26:46.44 ID:rr1ChsAIO
「これで任務は達成だな」
宗介のグロックの銃口から煙が立ち込めている。即座に発砲したのは宗介であった。
「これで終わるなら、楽なのだけど」
そう言うや否や、新しいインキュベーターが現れる。
「やれやれ、どういうつもりか分からないけど、勿体無いじゃないか」
宗介はまだ銃を構えている。
「それと、僕は君と契約した記憶はないよ、暁美ほむら。
それに、僕が見える男性なんて初めてだ、相良宗介」
あくまでインキュベーターも無表情で語る。
「ええ、私は貴方たちの言うところのイレギュラーよ。
そして、その目論見も、貴方と契約した者の末路も全て知っている」
銃を構えたまま威圧する。
感情がないのだから、恐れはしないのは分かっていた。
だが、ほむらにはこうする他に苛立ちをぶつける手段がなかった。
「目論見だなんて、酷い言い草だなぁ。
これでも僕たちは、君たちが家畜を扱うよりもずっと譲歩をしているよ」
「軍曹。攻撃してもよろしいでしょうか」
インキュベーターが言い終える前に、アルがコートから声をあげる。
「肯定だ。しかし、お前に攻撃手段はあるのか」
宗介の許可を得ると同時に「アクティブな防弾衣」の裾から機械腕が現れインキュベーターにダガーを高速で投擲した。
恐らくAS用対戦車ヒートダガーを小型化したものであろう。
刺さった後にその刃は爆発した。
「こちらも、肯定です」
抑揚のない声だが、少し満足しているように聞こえた。
まさか、改良されたとはいえここまで「アクティブ」だとは思いもしなかった。
「ああ、中々だ」
そんなやり取りをしている間にも次のインキュベーターが現れ、ほむらと宗介の間を走り抜けて行った。
「まずい、このままでは鹿目まどかが奴と遭遇してしまうわ」
今の光景を呆然と見つめていたほむらは我に返りインキュベーターを追いかけはじめる。
宗介もその後ろに続いた。
「まさか、お前一人で攻撃を仕掛けられるとはな」
追いかけながらも、宗介はアルに話しかける。
「あの時に言ったでしょう。
『私は人間ですか?』と。その答えが見えてきたのです」
「そうか」
落ち着いた声だが、相棒の進歩に宗介は心を弾ませていた。
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