3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/02/18(月) 00:03:49.98 ID:onRvhrVu0
扉の向こうには、多くの人影があった。
「中継ステーションの一つとの交信が途絶えてしまってね」
向かいには、黙々とシャベルの手入れをする少女。
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/02/18(月) 00:06:12.55 ID:onRvhrVu0
「それで我々を?」
「上層部は貴重な君たち≠送り込むほどの事態ではないと考えているようだが、私は違う」
彼らの注意をひこうと、室内にもう一歩踏み込もうとすると、左から伸びてきた手が私の行く手を遮った。
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/02/18(月) 00:08:24.41 ID:onRvhrVu0
代わり、隣に立つ銀色の少女が私を見た。
「まぁ……あなたが新しい『しっくす』なのですね」
穏やかな、しかし、はっきりとした声が耳朶を打つ。
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/02/18(月) 00:09:59.26 ID:onRvhrVu0
「何者の仕業です?」
律子たちの会話に全く興味をしめさず、プロデューサーはホログラムの向こうの人物に問いかけた。
「情報部は現地の『AI派』と見ている。五ヶ月前にも他の中継ステーションが襲われ、大きな被害が出ている」
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/02/18(月) 00:11:31.56 ID:onRvhrVu0
「良く来た」
通信が終わると同時に、プロデューサーがこちらを向く。
私は彼の前に一歩踏み出した。
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/02/18(月) 00:15:15.71 ID:onRvhrVu0
「メンバーの律子、雪歩、貴音だ。……とはいっても、紹介するまでもないか」
プロデューサーが頭をかく。
眉間から皺が消え、本当の彼がちらりと見える。
ノーブルチームのリーダーではなかったころの、ただの一プロデューサーだった頃の彼。
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/02/18(月) 00:18:37.86 ID:onRvhrVu0
「呼ばれた事情はわかっているな」
律子、雪歩、四条さんの三人が階段を降りていくのを横目に、プロデューサーと私は階段を登っていく。
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/02/18(月) 00:20:33.46 ID:onRvhrVu0
「……優秀なアイドルになったな」
注意を少女に向けていた私は、プロデューサーの一言を聞き取ることができなかった。
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/02/18(月) 00:21:59.71 ID:onRvhrVu0
同日 中継ステーション
鉛色の建物のそばへ、ヘリが下降し、しかし着陸はせず、土ぼこりを巻き上げつつ静止する。
「亜美は空から見張りを頼む」
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/02/18(月) 00:22:59.41 ID:onRvhrVu0
中継ステーションはお世辞にも、綺麗とは言えない外見をしている。
外装はところどころ剥げ、ドアが歪み、風に吹かれて周期的な軋みをあげる様相は端から見れば廃墟同然だった。
人の気配は無く、ヘリが離れていくと、不気味なほどの静けさがのしかかってきた。
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