15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/02/22(金) 15:45:01.96 ID:L62z0KCK0
部室から校門までの道は思った以上に静かだった。風で木々がざわめく音もなくて、他に歩いている生徒もあまりいない。
歩きながらあかりのことを聞いてみようか考えてみたが、隣の綾乃はなんだか緊張しているみたいで、時々こっちを見ては目を逸らすなんてことを繰り返している。
なんでそんなことになっているのかなんて知らないけれど、なんだかそれは可愛く見えた。
空もだんだんと暗みを帯び始める頃に、私と綾乃は校門について、そこで待っているメンバーを見つける。
千歳「あ〜、綾乃ちゃ〜ん」
あかり「あ、京子ちゃんも一緒だ〜」
千歳「………ええもんや」
その中の一つの声に体が強張ったのは、多分気のせいじゃない。
二人の待ち人の一人、あかりの姿に私の体は強張った。
京子「あ、あかり……」
あかり「ん、どうかしたのかな、京子ちゃん。寒いの?」
そう言ってあかりは近づいてきて私の手をギュって握る。握ってから、京子ちゃんの手冷たいね〜と笑顔で言った。
なんだか、それが無性に私の心でチクリって痛みになった。
京子「大丈夫だから」
あかり「だってこんなに冷たいよ?」
綾乃「……」
千歳「混ざってくればええやん」
綾乃「ちょ、千歳!」
そんな風に二人が話をしているから、私は残っている冷たい手で綾乃の手を握る。なんだか、それだけでチクリとした痛みはなくなった。
代わりに茹でダコみたいな綾乃と、眼鏡外した千歳が出現した。
綾乃「ちょ、歳納京子、い、いったいなにを!」
千歳「ええわ〜、とってもええわ〜」
あかり「京子ちゃんの手、早くあったまるといいな〜」
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