25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/02/22(金) 15:53:44.05 ID:L62z0KCK0
―結衣―
ちなつ「結衣先輩、今日何かあったんですか?」
そうちなつちゃんに言葉をかけられて、そんなことないよと答える。できる限り勉強に気を向けていたけど、内心は何とも安定はしていなかった。
その理由がなんであるか、私は理解している。そう、理解しているからこそにいつも通りを心掛けている。
結衣「ちなつちゃんは、私と一緒じゃ退屈じゃないの?」
ちなつ「退屈じゃないですよ。結衣先輩がそういうこと聞いてくるのはなんだか珍しいですね」
結衣「そうかもしれないね、ごめんね」
勉強を再開しようとして、頭に過る言葉がある。
進学校……
あかりが進学校に行くという話を京子が言った時に、私は確かに感じたのだ。京子の言動に中学生に上がる頃よりも強い何かを。
多分、それにちなつちゃんは気付いているのではないかって思うけど、わざわざ私から切り出すべき話でもない気がしてならなかった。
ちなつちゃんは、私たちと幼馴染というわけじゃないから、そもそもこんな話を振られても困るだろうし、逆に指摘をされたらそれはそれで、なんだか腑に落ちないって感じになるだろう。
ちなつ「私は結衣先輩と二人きりになれるからうれしいですけど、なんだかこの頃はみんなあまり楽しそうじゃないです」
結衣「しょうがないよ、京子と私は受験を控えてるし、あかりは生徒会での引き継ぎとかで忙しいしね」
ちなつ「それだけならいいんですけど」
そう言っているちなつちゃんの目は、私をまじまじと見ていた。
なんだろう、見られていると恥ずかしくなるのが普通なのかもしれないけど。今のちなつちゃんの目からはそういうものが感じ取れなかった。
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