26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/02/22(金) 15:54:30.40 ID:L62z0KCK0
結衣「ちなつちゃん?」
ちなつ「それよりも、結衣先輩も勉強しなきゃ。私、お茶を入れてきますね」
そう言ってちなつちゃんはお茶を入れに向かう。
違和感に苛まれながら、携帯を一度開いて昨日のメールを開く。
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2013/02/22(金) 15:55:09.50 ID:L62z0KCK0
―綾乃―
あかり「先輩、この資料はこれでいいんですか?」
綾乃「うん、それで大丈夫よ。ほんとあかりさんはよくできるわね」
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2013/02/22(金) 15:55:47.51 ID:L62z0KCK0
あかり「あかりの知ってることだったら何でもいいですよ〜」
そう言ってにこやかにほほ笑むあかりさんには、私の思いがすべて筒抜けになっているんじゃないかって思う。
千歳は長い付き合いってこともあるだろうから、私のことをよく理解しているだろう。
それがあかりさんにもわかっているんじゃないかって思うと、なんだか複雑な気持ちになる。
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2013/02/22(金) 15:56:38.72 ID:L62z0KCK0
あかり「じゃあ、やっぱりクリスマスに告白の流れがいいのかな〜」
綾乃「ク、ククク、クリスマスに、こここ、こく、告白だなんて!」
あかり「ロマンチックですごくいいと思います」
そういえば昨日、去年やったクリスマスのカップルごっこのことを歳納京子と話した。
30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/02/22(金) 15:57:50.24 ID:L62z0KCK0
―京子―
京子『いやだ! あかりだけ小学生のままなんてやだ!』
懐かしい夢だ。
31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/02/22(金) 15:58:37.88 ID:L62z0KCK0
結衣は私を睨みつけている。いつもみたいにどこか落ち着いている瞳とは違う、そこには苛立ちと怒りが含まれているのが分かる。
その瞳に睨まれて動けない私と、結衣の横に立っているあかり。
私と結衣が睨み合っていることにオロオロしていて、やめてよって言っても結衣は聞かない。
だからもう何もできないから、様子を伺っているっていう感じだった。
32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/02/22(金) 16:01:39.79 ID:L62z0KCK0
結衣『それはお前が素直じゃないからだ』
吐き捨てるように、結衣はそう言い切った。素直じゃないってなんだよ!
京子『なんだよそれ、私はいつだって素直だよ!』
33:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/02/22(金) 16:02:17.79 ID:L62z0KCK0
京子「……!!!」
あかり「うわっ、びっくりした!」
起き上がってすぐに聞こえたその声と、寝惚けた感覚に頭が少し痛くなっているのを感じる。
今さっき見ていた夢のせいなのかと首を動かしながら、窓から差し込んでくる暖かい夕日に、もう夕方だなと思いながら隣で驚いたように固まっているあかりを見た。
34:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/02/22(金) 16:02:58.10 ID:L62z0KCK0
図書室を出るように足を進める。今さっき見ていた夢の中のあかりと、まんま変わらないあかりが横にいる。なんだかそれが私の思っているあかりのイメージそのもので、なんだか気味悪くなった。
もうすでに勉強している人も、本を探す人も、図書委員もいない図書室から出ると、廊下はもっと寒々しくなっていた。なんだってこうも暖房を切るのが速いのか、そんなことを思いながらあかりを見ると方が少しだけ震えていて、声をかけるべきかと思ったけど、それよりも早くあかりが顔を上げる。
あかり「京子ちゃん、あかり図書室の鍵を職員室に返してこなくちゃいけないから、先に杉浦先輩のところに行ってあげて」
京子「あ、うん」
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2013/02/22(金) 16:03:31.70 ID:L62z0KCK0
―綾乃―
綾乃「ん〜、ううん、き、緊張する…」
今、私はこんな寒空の下であいつを待っている。別に恋人同士ってわけじゃないけど、待っているってこと自体で緊張はするものだ。
36:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/02/22(金) 16:04:10.24 ID:L62z0KCK0
やっぱり、歳納京子はとても不意打ちが得意だと思う。今さっきまでの間に寒さで落ち着いた思考が、一気に活性化して聞こえてきた声のほうを見るのに、なんだか時間をかけてしまう。
ギィギィ、そんな風に関節から音が聞こえてきそうなくらいに遅い動きで、私はくるみ割り人形か何かかと自身の滑稽な動きを恥じる。
京子「なんだ綾乃〜、くるみ割り人形でも始めたのか〜」
綾乃「そ、そんなわけないじゃない!」
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