37:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/02/22(金) 16:04:48.65 ID:L62z0KCK0
あかりさんの下駄箱の中に、ビニール袋に包んでコートを入れて校門を出る頃には、外はもう暗くなっていた。空には雲は掛かってなくて、キラキラ光るお星さまが暗闇を彩っていた。
京子「お〜、今日の夜空はなんだかすげぇな〜」
綾乃「ほんとね、本当にきれい」
京子「だよな〜、こういう光景見ながらの帰り道なら何回でも大歓迎なのにな〜」
私は歳納京子と一緒の帰り道ならいつでも大歓迎だけどね。そんなことを心の中で呟いて顔を赤くする私。まだまだ分かれ道ってところじゃないけど、だんだんとそこが近付いているのがわかると胸が切なく疼いた。
京子「まったく、もう少しで二学期も終わりなのかよ〜」
綾乃「そうね、三学期になったらすぐに受験になるわね」
歳納京子はあかりさんが、来年進学校を受けようとしていることを知っているのかという考えが過った。でもそれを教えて私は何を得たいのか?歳納京子からの信頼、それとも頼りになる人という印象?
わかるけど、私はそのどれかが欲しいのではなくて、歳納京子に特別な人として見てもらいたいと思っている。
京子「お、今流れ星流れた!」
歳納京子は隣で楽しそうに夜空を眺めている。こんなに夜空はきれいなのに、素直になれない私はなんだかきれいじゃないなんて思う。素直になればなるほど、何かが壊れそうな気がして、でもあかりさんにこうして時間を作ってもらえたから、頑張らなくちゃいけないって思う。
そんなことを思いながら、気付けば分かれ道まであと少しの所。ここで言わなくちゃいけないってわかっているから、足の動きを遅くする。
綾乃「ね、ねぇ、歳納京子……」
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