5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/02/22(金) 23:42:10.05 ID:/aXQ9vleo
純「……はぁ。やっぱりまだ悩んでたのか」
痛いところを突かれ、思わず声が出てしまう。
それを見逃すような純ではなかった。後輩二人からも心配そうな視線が注がれているのをひしひしと感じる。
純「いいんだってば、変に気負わなくても」
梓「べ、別に気負ってなんか……」
純「なんなら一緒に何か見に行こうか? これから」
梓「……ううん、やっぱり自分で考えたいんだ、こればかりは」
純「それを気負ってるって言うんじゃん」
梓「うっ……」
直「二回目」カタカタ
そんなに気負ってるつもりはないんだけど……とはいえ、悩んでいる自覚くらいはある。それを気負いと言われたなら返す言葉に詰まる。
立場的には私は純のほうに近いから、親友として憂に何かを贈ればいいんだと思う。それはわかってる。だけど……
梓「……皆が皆、自分らしいことでプレゼントを贈ろうとしてるのを見ると……やっぱり自分で考えたいんだ」
純「そんなものかねぇ」
菫「……とはいえ、焦って考えすぎてもいい結果は出ませんよ、梓先輩。はい、お茶です」コト
梓「あ……ありがと、菫」
菫「どういたしまして。自信作ですよ? 明日はもっとすごいのを淹れる予定ですけど」
梓「……美味しい……」
菫「ふふっ」
直「……中野先輩、飲み終わったら私の曲、一回合わせてみてくれませんか?」
梓「え……うん、いいけど……」
純「気分転換も大事、ってね。わかってるじゃん直!」
直「いえ、ちゃんと合わせられるかを中野先輩も気にしていたようですし。懸念事項が一つ減れば考えに集中しやすくなるかな、と……」
純「……でも気分転換も大事だよね?」
直「……そうですね」
梓「……あははっ。ありがとう、直も」
……温かい気持ちと温かいお茶に触れた後の演奏は、初めて合わせたとは思えないほどの成果だった。
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