913:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/10(日) 09:11:11.66 ID:nQ4y3AGI0
雪美ちゃん…古都美ちゃん…元気しとるやろうか…
なあ、2人は、ちゃんと今笑っていられてるんかなぁ…?
「…おーい、千世?」
名前を呼ばれ、千世は我に返って視線を空から地上へと戻した。
目の前には吊り上がった葉瑠の瞳があり、思わず「おお…!」と声を漏らした。
「千世、どうしたのさ、急にぼーっとしちゃって。
…あ、もしかして雲がわたあめみたいだなーって思ってたんじゃないだろうね?」
「うえぇ? ちゃうちゃう、そんなん思ってへんよー」
「どーだかねー、荻野ちゃんは第二のお菓子好きキャラ疑惑があるからなー」
「ちゃうよー、わたあめは好きやけどもー」
優人は少しずつ調子を取り戻してきたようで、いつも教室で騒いでいた時のような軽口が出るようになっていた。
千世をネタにして笑顔を取り戻してくれるのなら、いくら笑われたって構わない。
それが引っ張る力がない千世にできる数少ないことだから。
なあ、雪美ちゃん、古都美ちゃん…
うちは、笑っとるよ、元気にしとるよ…2人はどない?
「…もしかして千世さ、誰か逢いたい人とかいるの?
空に思いを馳せてた…的な?
え、もしかしてもしかすると、好きな人とか?!」
急に葉瑠がテンションを上げて千世に頭突きをしそうな勢いで顔をずいっと近付けた。
そういえば、葉瑠は人の色恋沙汰で盛り上がるのが好きなように見えた。
誰と誰が付き合っているとか、誰が誰を好きだとか――同じグループの子たちや、同じようにそういう話が好きらしい水田早稀(女子十七番)と話しているのを聞いたことが何度かあるし、華那は幼馴染だという川原龍輝(男子五番)との関係を疑われてよく話を聞かれていた。
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