過去ログ - P「始原のiDOL」
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13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 22:11:56.07 ID:y8XKonFyo
「ありゃりゃ、そっちは響のお仲間だったか」

 真が頭をかきかき言うのに、響が口を尖らせる。

「こんな『雑じり』と一緒にしないでよ。ひどいなあ」
「ごめんごめん。ボク、獣の民の知り合いは響と美希だけだからさ。よくわからないんだよ」
「ふん。まあ、いいけど」

 真と響が余裕を持って話しているのと同様、巨猿も特に急いで動くこともない。
 それは、にやにや笑いとしか見えない表情で二人をねめつけていた。

 おそらくは両者共自分の持つ力に自信があるからこその行動であろう。
 だが、一方は人間の二倍以上ある体躯であるのに対し、一方は年若い少女たちである。

 その外見からすれば、響たちの落ち着きようは異様と言えた。

「こいつは自分に任せてくれるか?」
「んー。了解」

 響が舌なめずりでもしそうな口調で言うのに、真はひらひらと手を振って数歩下がる。

 ビルの壁にもたれかかって観戦する形となった真に見せつけるように、響はにやりと笑った。


 とんっ。


 それほど膝も曲げず、彼女は軽く飛び上がった。
 その跳躍が、まさか、巨猿の頭を越えるほどの高さに到達するとは。

「あ、飛びすぎた」

 響自身が言うように、それは少々高すぎた。
 巨猿のどこを攻撃するつもりだったとしても、滞空時間が長すぎる。

 当然、相手は響の体を捕まえようと手を伸ばす。
 毛むくじゃらの棍棒のような腕が、空中の小柄な少女に向かって振り上げられた。


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