過去ログ - P「始原のiDOL」
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51:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 23:11:56.64 ID:y8XKonFyo
 もちろん、響たちにそれにつきあう義理はない。

 彼女たちは、即座に行動に移った。

 白銀の狼が男に向けて突進する。
以下略



52:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 23:12:48.42 ID:y8XKonFyo
 ぽすん、と蘭子の体が床に落ちる。
 完全に腰が抜けてしまっていた。

 意識のほうも、だいぶ飛んでしまっている。

以下略



53:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 23:13:43.12 ID:y8XKonFyo
 心配げにしていた響と美希は思わず顔を見あわせ、そして、穏やかな、しかし、どこか寂しそうな笑みを浮かべた。

「私、響さんたちが、ええっと……その、し、知らなくて!」

 蘭子は胸につかえている言葉たちをなんとかしてはき出そうとわたわたしている。
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54:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 23:14:49.50 ID:y8XKonFyo
 神崎蘭子は、素直な少女である。

 想念の世界を楽しむのも、アイドルとしての自分を楽しむのも、実に素直に受け入れている。

 彼女は自らを見出した人物――所属プロダクションのプロデューサー――と過ごした時間を大切にしている。
以下略



55:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 23:15:55.48 ID:y8XKonFyo
「頂点を極めし者に、正当なる賛歌を」
「だから、トップアイドルなんてもう昔のことで……」

 律子は困ったようにそう言うが、彼女は実際、引退しているわけではない。

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56:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 23:16:23.46 ID:y8XKonFyo
「すいません。では、三浦単独のほうを先にしていただいて……。ええ、春香は私が連れていきますから」

 あえて周囲に通る声で結論を述べ、春香に肩を貸す律子。

「ほら、春香。ゆっくりでいいから」
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57:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 23:17:19.94 ID:y8XKonFyo
 しばらくあずさの撮影を眺めていた蘭子であるが、その間も彼女はずっとそわそわしていた。
 自分になにができるというわけでもないが、春香の様子が心配でならなかったのだ。

 結局、彼女は立ち上がり、スタジオを静かに抜け出る。

以下略



58:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 23:18:08.78 ID:y8XKonFyo
 そのことを完全に理解したとき、蘭子は息を呑み、その場でかたまってしまった。

「そう。ならいいけど……。それで、どうしようかしら。あずささんに任せる?」
「うーん」
「大丈夫よ、あの人なら、デジタルカメラでも夢を見させられるから」
以下略



59:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 23:19:05.32 ID:y8XKonFyo
 驚いたように春香が言い、律子が額に手をやる。
 どうやら、自分がいることは気づかれていても、誰だかは、わかっていなかったようだ。

「見ちゃった、かあ」

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60:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 23:20:15.97 ID:y8XKonFyo
 あずさはちらと春香の有様を見て律子に話しかける。

「それで、どうします? 私が音無さんから血をもらってきましょうか」
「三十分あるなら、それがいいかもしれませんね。頼めますか?」
「はい、もちろん」
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61:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 23:21:22.50 ID:y8XKonFyo
 神崎蘭子は想像力豊かな少女である。

 世界にあまた存在する伝説の存在が実在することを信じて、そういったものを追求するネット上のコミュニティに参加したりしている。

 世の中には過激な人々もいて、吸血鬼を目指して血を吸い合ったり、殺人や集団自殺に至るようなグループもあったりするものだ。
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