14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 21:09:34.02 ID:sFFUNv8Z0
「あふぅ。この人に連れられたから来ただけなの」
それはそうなんだけど―――。
何か言い返したくなるのを我慢して、律子は美希にライブの感想を聞いてみた。
「うーん、ちょっと想像してたのと違うってカンジかな」
それはどういう意味なのか、プロデューサーや律子が聞くよりも先に、美希が続けた。
「アイドルって、もっと大っきな会場で、たくさん人がいる前で歌ったりしないの?
子供やおじいちゃんおばあちゃんの前で歌うのって、テレビの1chを見てるみたいで眠くなっちゃったの」
あずさとプロデューサーは、困ったような顔をして笑っている。
やよいは、言い返す言葉が無くて、黙って俯いてしまった。
765プロがまだまだ弱小のアイドル事務所であることは自覚していたが、こうも面と向かって言われると穏やかならぬ気分になる。
悔しさに耐えかねて、律子は再度美希の手を引いた。
「ちょっとレッスンに連れて行きます」
そういう生意気な台詞は、ウチの子達が身を置いている世界がどれだけ厳しいものなのかを知ってから言ってほしいわ。
律子は、昨日の礼を言うのも忘れ、いつの間にか美希を何とか見返してやりたいという気持ちに支配されていた。
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