過去ログ - 大学教授「私がアイドルのプロデューサーだと」
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◆HdrJTu3Tbs
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2013/04/01(月) 22:21:31.90 ID:Py/NZ84y0
なるほど、高木がトップアイドルの才能があるというだけあって、とても魅力的な女性である。彼女の落ち着いた雰囲気が自然と気分を和わらげる。
今朝、新幹線の中で出会った秋月さんもとても落ち着きのある少女であったが、やはりいくらか無理をしていたのだろう。音無さんにはは彼女のような固さのない、柔らかな大人の女性の落ち着きがあった。
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◆HdrJTu3Tbs
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2013/04/01(月) 22:22:30.96 ID:Py/NZ84y0
「はじめまして。高木の旧友で、大学の教授をさせていただいております。音無さんのことは、高木から伺っていますよ」
そう言って立ち上がり、名刺を渡した。
彼女は少し頬を染め、名刺に目を止めて、
以下略
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◆HdrJTu3Tbs
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2013/04/01(月) 22:23:13.57 ID:Py/NZ84y0
高木は気づかなかったように私に向き直り、
「さて、今日ここにきてもらったのは、君に今後進むべき道を提案するためでね。小鳥君にも同席して欲しかったから、わざわざ東京までご足労願うことになった次第だ」
そういうと高木は右手に抱えていた大きな封筒をごそごそと紐解き始めた。
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◆HdrJTu3Tbs
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2013/04/01(月) 22:24:09.17 ID:Py/NZ84y0
音無さんが私に目を向けて、
「あの、コーヒーはブラックでよろしかったですか。高木さんが先生はいつもブラックを飲むとおっしゃったので」
「ええ、ありがとう。とてもおいしいですよ」
以下略
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◆HdrJTu3Tbs
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2013/04/01(月) 22:25:13.21 ID:Py/NZ84y0
「ところで高木さん、私がいる必要があるってどういうことですか」
カップに口をつけながら尋ねる音無さんに、高木は封筒から書類を引っ張り出すのに苦労している様子で
「ん、いやなに、私がこのプロダクションを出て新しいプロダクションを開くときに、君には事務員として来てもらいたくてね」
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◆HdrJTu3Tbs
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2013/04/01(月) 22:26:17.92 ID:Py/NZ84y0
なるほど、この女性なら事務員にぴったりだろう。高木が連れて行くと言うくらいだ、有能であることは間違いない。それにこの母性的な落ち着きは人を和ませてくれる。
仕事を終えて帰って来た時に笑顔で出迎えてくれる音無さんが目に浮かんだ。そう考えてふと音無さんを見ると、
「ピヨーーーーーーーッ、聞いてませんよ高木さん。高木さんこのプロダクション辞めちゃうんですか。しかも、私を連れて行くってそんな」
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◆HdrJTu3Tbs
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2013/04/01(月) 22:27:17.96 ID:Py/NZ84y0
先程の落ち着いた雰囲気からは想像もできないほどの驚きようであった。どういう意味かは分からないが、しきりにピヨピヨと呟いている。あまりの驚きように私は口をつけていたカップをとり落とすところだった。
「あれ、君にはまだ話していなかったかい。そうだよ、あと2、3年もしたら独立しようと思っていてね。社長には話をしているから、もう私が担当しているのも半ばセルフプロデュースの神尾君くらいで、あとはプロダクション経営の仕事ばかりだ。君なら気付いているかと思うが」
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◆HdrJTu3Tbs
[saga]
2013/04/01(月) 22:28:40.08 ID:Py/NZ84y0
高木は思いの外書類を取り出すのに苦労している様子である。中の書類を掴み、封筒を振り落とそうとしたが、無駄であった。
「そりゃあ気付いていましたけど、まさか辞めるだなんて思わないですよ、もう30年もこの会社にいるのに。
私はてっきり社長が高木さんを後継者にしようとしているのだとばかり」
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◆HdrJTu3Tbs
[saga]
2013/04/01(月) 22:29:36.50 ID:Py/NZ84y0
高木はついに封筒を引き裂き、書類を取り出した。
「ここで出ていかないとチャンスはもうないだろうからね。それに社長はまだまだやる気十分だよ」
高木は分厚い書類をテーブルの上にボンと置き、コーヒーに砂糖とミルクをたっぷりと加えた始めた。
以下略
93
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◆HdrJTu3Tbs
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2013/04/01(月) 22:30:34.36 ID:Py/NZ84y0
「ピヨヨヨーーーーーーーーッ、先生がプロデューサーですか。そりゃあ只者ではないオーラを出していましたけど、プロデューサーだなんて。私はてっきり先生は新しいコメンテーターかなにかだと思っていましたけれど」
コメンテーターはあまり好かない。テレビに出たことはあるが、それは私の専門分野の解説者としてであったからで、よく知りもしない時事問題や芸能ニュースにコメントする気は起こらなかった。
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