過去ログ - 美琴「何、やってんのよ、アンタ」垣根「…………ッ!!」3
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83: ◆nPOJIMlY7U[saga]
2013/04/14(日) 00:11:30.04 ID:SfF/g84n0
「……そう。それがアンタの本心なのね」

「あァ。ずっと前からこォ思ってた。そりゃ最初は俺なンかが打ち止めと一緒にいる資格なンて、と思った。
けど悪党が善人と一緒にいちゃいけねェのか、悪党が善人を守っちゃいけねェ決まりでもあるのか。
たとえあったとしても、今まで全てをブチ壊してきた俺がそんなルールだけを律儀に守る必要があるのか、ってな。
以下略



84: ◆nPOJIMlY7U[saga]
2013/04/14(日) 00:12:48.77 ID:SfF/g84n0
「ねぇ。最後に、一つだけ確認させて」

「あァ」

「打ち止めが言ってたんだけど。『実験』中、本当は殺したくなかったって、本当?」
以下略



85: ◆nPOJIMlY7U[saga]
2013/04/14(日) 00:17:24.21 ID:SfF/g84n0
一方通行は言った。
しっかりと美琴の目を見て、力強く。
自分のしたことに言い訳はしないと、一切の淀みなくそう言い切った。

それを聞いた美琴は、握り締めた拳から力を抜いて、ふぅ、と大きく息を吐く。
以下略



86: ◆nPOJIMlY7U[saga]
2013/04/14(日) 00:19:55.47 ID:SfF/g84n0
「……オマエは、自分がナニ言ってっか分かってンのか。
本当にそれでいいのかよ」

呆然と呟く一方通行に、美琴は僅かに、だが確かな笑みを浮かべて答えた。

以下略



87: ◆nPOJIMlY7U[saga]
2013/04/14(日) 00:21:24.67 ID:SfF/g84n0
「けど違った。アンタはちゃんと自分の気持ちと向き合って、全て理解した上であの子と一緒にいることを望んだ。
アンタの、『悪党が善人と一緒にいちゃいけない、守っちゃいけない決まりでもあるのか』って言葉には正直ちょっと痺れたわ。
その通りだと思う。昔のアンタならともかく、今のアンタになら、安心して打ち止めを任せられる。そう思えたのよ」

一方通行が口八丁に誤魔化そうとしても、きっと美琴はすぐにそれを見抜いただろう。
以下略



88: ◆nPOJIMlY7U[saga]
2013/04/14(日) 00:22:52.44 ID:SfF/g84n0
一方通行は立ち上がり、力強く頷いた。
今日この時、ついにこの決して相容れない両者の間に和解が成り立った。
いや、和解というといくらか語弊があるが、それでも。
御坂美琴が一方通行を殺してしまうことはなかったし、一方通行が自ら命を投げ出すこともなかった。
打ち止めの望んだ未来に近いものが実現したのだ。
以下略



89: ◆nPOJIMlY7U[saga]
2013/04/14(日) 00:24:51.49 ID:SfF/g84n0
一方通行だけではない。御坂美琴もまた自らの罪を償い続ける。
永遠に、一生。決して投げ出すことなく。
許されなくてもいい。許されるなんて思ってないし、求めてもいない。
それだけのことをしてしまったのだから。
一方通行と同じく、ただの自己満足としての償いなのだから。
以下略



90: ◆nPOJIMlY7U[saga]
2013/04/14(日) 00:27:06.51 ID:SfF/g84n0
やはり即答だった。
答えに躊躇いはなく、一方通行の覚悟が分かる。
そもそも、打ち止めが天真爛漫な笑顔で一方通行の話をしていた時点で、分かっていたことかもしれない。
もし一方通行が善性など欠片もない最悪の虐殺者だったなら、打ち止めがあんな笑顔を見せることはなかっただろうから。
御坂美琴が一方通行を信じるわけではない。そんなことは出来はしない。
以下略



91: ◆nPOJIMlY7U[saga]
2013/04/14(日) 00:29:10.80 ID:SfF/g84n0
一方通行を許したわけではない。あの『実験』を肯定するわけでも勿論ない。
だがそれでも、あの『実験』があったからこそ一方通行は変われた。
美琴も同様に、『実験』を経て一つ成長することができた。
あれはあまりにも狂気的で、人道や倫理といったものをどこまでも冒涜するものだったが、マイナスしかなかったわけではきっとない。
マイナスがあまりにも大き過ぎるのも事実だが、妹達が生まれたことも含めプラスの面だってゼロではなかったはずだ。
以下略



92: ◆nPOJIMlY7U[saga]
2013/04/14(日) 00:34:55.87 ID:SfF/g84n0
「……ありがとな、オリジナル。絶対にその期待は裏切らねェよ」

一方通行が感謝の言葉を口にした。
そんな言葉を最後に言ったのはいつなのだろう。
もしかしたら今まで一回も言ったことがないかもしれない。
以下略



93: ◆nPOJIMlY7U[saga]
2013/04/14(日) 00:35:58.36 ID:SfF/g84n0
不意に沈黙を破った一方通行に思わずそんな声が出てしまった。
そういえば先ほど一方通行の能力を封じてから、ずっとそのままだった。
たしかにもう封じる必要はないだろうけど。

「別にいいけどさ。能力使うつもり? 何に?」
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