過去ログ - モノクマ「うぷぷ…安価でRPGをしてもらうよ!」苗木「その4!?」
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384: ◆x/rxoIq2T6[saga]
2013/05/06(月) 01:18:22.38 ID:Wc3NQm/A0

苗木「そ、そんな…ど、どうして……っ!」

苗木は目の前で起こった事が信じられず、呆然と立ち尽くす。
だから、仲間の呼びかけに気づくのが僅かに、遅れた。

霧切「──君!逃げてええええええええええええええええええ!!!」

苗木「……え?」

顔を上げる。
そこには、拳を構えた武人の姿があった。

苗木「ごっ、ふ……っ!」

めこりと、明らかに鳴ってはいけない音がして、苗木は口から血を吐き出す。
苗木は軽く身体に触れ、肋骨が数本折れているのに気付いた。

苗木(──ここにいたら、まずい)

そう気づくのが、後数秒遅かった。
苗木が逃げようと身体を動かした瞬間、再び意識が吹き飛ぶような激痛に襲われる。

苗木「あ、が、ごっ……!」

殴られた衝撃は大きく、苗木の身体はいとも容易く吹き飛んだ。
やがて壁に激突し、壁に血の彩色を施す。

霧切「苗木君!」

豚神「なぜだ…!なぜ届かない……!」

駆け寄ってきた霧切に介抱されながら、苗木は朦朧とした頭で思考を巡らせる。
何が間違っていたんだ…僕たちの推理は、正しいはずなんだ……。
だって他に、どう考えれば……。

江ノ島「寝てる暇は無いみたいだけど?」

江ノ島の声で少し思考を止め、大神の姿を探す。
苗木達の数メートル先に、大神がいた。
彼女はゆっくりとした足取りで、確実にこちらに迫ってきている。
本気で来られれば、もう苗木達の命は無い。
自分達は生かされているのだと理解した。

苗木「ご、ごめん…みんな…僕のせいで……」

霧切「まだよ…私達の推理は間違ってないはず……ただ、真実に昇華するには何か足りないのよ」

豚神「何か…な。後数秒で俺達は死ぬわけだが、思いつくか」

江ノ島「…………っち」

苗木「ごめん…僕が、後先も考えずに……っく!!」

そう、苗木は気付くべきだった。
モノクマは自分達を監視しているのだ。
ならば、なぜこんなにも自分達に有利な条件を突きつけるのか。
その前には、理不尽に仲間の命を奪っているモノクマが、こんな簡単な謎を出してくるわけが無いのだ。
だから、自分達の浅慮。
大切な仲間であり、妹のような存在の七海を疑った結果が、これだ。
結局彼女に会うことは出来ず、真実を知ることも出来ないまま、死ぬ。


──ああ、そうか。

僕らのは推理で…【真実】じゃ、ないのか……。

僕らは七海ちゃんの口から【真実】を聞いていない……。

自分達の推理を、勝手に真実と摩り替えて……この結果になったんだな…。


苗木も、霧切も、豚神も、江ノ島も。
もはや万策尽きたとでも言うかのように、頭を垂れる。
どうしようもない。
この状況で、どうやって真実を示せばいいというのか。


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