17: ◆auvPFY1.jw[saga sage]
2013/04/26(金) 15:00:33.52 ID:apyY2YgH0
以前より、ちひろさんの態度はさらに軟化していた。
交流を深めた結果もあったのだろう。
けれど、どこかその両肩は落ち着いていない。
どうかしたのだろうか。ぼくは、隣を歩く彼女に声をかけた。
「大丈夫ですか?」
抽象的な問いだが、それで十分だろう。
私的な悩みでなければ、話してくれるだろう。
『え?ああ、はい。大丈夫です』
私的な悩み、もしくは何もないのだろう。
…話を途切れさせまいと、ぼくは続けた。
「また、いい店を見つけたんです。よければ、どうですか」
『嬉しいです。では…仕事もあるので、今度の土曜日…10日に』
「よかった。では、楽しみにしています」
『…こちらこそっ』
ああ、なんと素晴らしいひとときなのだろうか。
この時間が永遠に続けばいいのだが、そうはいかない。
ぼくは、女性が運ぶ量には多いものを抱え、事務所に戻った。
土曜日が楽しみだ。
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