7: ◆auvPFY1.jw[saga sage]
2013/04/26(金) 14:55:08.03 ID:apyY2YgH0
ほどよく頬の紅潮を感じていたぼくは、すぐに家に戻った。
別れ際のあの一言。期待をしてもいいのだろうか。
好意を抱いてくれなくても、きっと、悪印象ではないだろう。
8: ◆auvPFY1.jw[saga sage]
2013/04/26(金) 14:55:44.87 ID:apyY2YgH0
翌日、ぼくは担当アイドルに事情を話した。
すると、快く承諾をしてくれて、アドバイスをくれた。
デートに行く服がないのだ、と伝えると、笑われてしまった。
9: ◆auvPFY1.jw[saga sage]
2013/04/26(金) 14:56:11.32 ID:apyY2YgH0
美容室というのは、どうしてこうきらびやかなのだろう。
もっと、床屋のように落ち着いていてもいいではないか。
背よりずっと高い鏡に映されるぼくは、少しわくわくしていた。
10: ◆auvPFY1.jw[saga sage]
2013/04/26(金) 14:56:39.38 ID:apyY2YgH0
1dayのコンタクトレンズだったので、なかなかに値が張った。
さらにぼくは乱視だったので、助長する原因だった。
だが、これでメガネともおさらばだ。
11: ◆auvPFY1.jw[saga sage]
2013/04/26(金) 14:57:19.01 ID:apyY2YgH0
そして、ようやく待ちに待った日曜日がきた。
女性と私的な用事で肩を並べ歩くことなど、ぼくは殆ど経験がない。
ぼくは早朝に起床し、インターネットで情報を集めた。
12: ◆auvPFY1.jw[saga sage]
2013/04/26(金) 14:57:48.69 ID:apyY2YgH0
「ちひろさん、お待たせしてすみません」
『…プロデューサーさん?メガネはしていないんですか』
13: ◆auvPFY1.jw[saga sage]
2013/04/26(金) 14:58:15.06 ID:apyY2YgH0
『本当におもしろかったです。あのシーンには、涙が出そうでした』
謝るのは、ぼくの方だろう。
映画の内容など覚えていないのだから。
14: ◆auvPFY1.jw[saga sage]
2013/04/26(金) 14:58:49.64 ID:apyY2YgH0
今度は、ぼくの提案した店に行くことになった。
言うなれば、隠れ家的雰囲気、というのだろうか。
入るのははじめてだったが、その内装には目を奪われた。
15: ◆auvPFY1.jw[saga sage]
2013/04/26(金) 14:59:23.63 ID:apyY2YgH0
ひと通り今日のデートへの意気込みを伝えていた。
そうだったんですか。と彼女は目をまるくした。
そして、ちひろさんに酒のせいではない頬の紅潮が見て取れた。
16: ◆auvPFY1.jw[saga sage]
2013/04/26(金) 14:59:49.79 ID:apyY2YgH0
それから3日経った水曜日のことだ。
あのデートの後から、ぼくはちひろさんと話していない。
互いに忙しく、時間がとれなかったのだ。
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