264:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/03(月) 07:34:51.22 ID:7IYKPM3ao
シラユキと話をしていた誰かは、やがて丘の下へと向かう道を歩いていった。
わたしはその場で少しのあいだ空を見ていた。
雨は降り続いている。灰色の雲と白っぽい太陽。生き物の気配のしない森の中。
まるで世界の果てにでもいるような、そんな気持ちになる。
溜め息をついて歩き出す。ぬかるんだ土の感触。それは分かる。
雨の匂いも、土の感触も、太陽の光も、ちゃんと分かる。
でも、そのすべてに現実感がない。
ここにはもう何もないのだな、とわたしは思った。
ひょっとしたら、最初から何もなかったのかも知れない。
今まで気付かなかっただけで。
でも、別にそれでもいい。
もう思い出してしまっているから。
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